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エクアドル日記(2004年3月)
3月14日(日) 晴れ時々曇り

今日はクエンカのサッカースタジアムに、我らがホームチーム「デポルティボ・クエンカ」の試合を見に行った。一般席のチケットは5ドル(550円)。試合前、大量のダフ屋がスタジアム周りで声を張り上げてチケットを売っている。と同時に大勢の警官が警備に出ている。
今日は、首位の強豪「リーガ・デポルティバ・ウニベルシタリア・キト」との一戦。我がディポルティボ・クエンカは現在4位と好位置につけている。この試合に勝って一気に上位を狙いたいところだ。
スタジアムは超満員。といっても多分収容1万人くらいの規模のスタジアム。俺は試合開始直前に入ったんだけど、センターライン横のいい位置に割り込んだ。もっとも、通常のシート(ただの石のベンチ)は満席だったんで、通路に座ったんだけどね。
サポーターは、ほとんどが地元クエンカの赤いユニホームを来た応援団。一方のゴールの裏にかろうじて白いキトのサポーターが陣取る。その比率は9対1くらい。圧倒的にホームのクエンカファンだ。
試合開始1分前、3日前にスペインで起きたテロ事件の犠牲者を哀悼して、選手・審判含めたスタジアム全員が起立して黙祷。エクアドル人の犠牲者も10人くらい出てるから、他人事じゃない。
いよいよ試合開始。両チームとも半分くらいが黒人選手。エクアドルの人口対黒人比率は数%に過ぎないので、あらためて黒人の身体能力の高さが分かる。
試合中は、方々からヤジが飛び交う。それに他の客が大笑い。チャンスで一喜、ピンチで一憂。歓声とため息の瞬間が交互に訪れる。スタジアムって、この一体感が独特なんだよね。惜しいシュートがはずれた時には、「あーーーっ!」って見知らぬ人達とみんなで同じ感情を共有する。
0−0で前半終了。ハーフタイム、周りのおっちゃんが、「中国人、よく来たな」ってなノリで俺にシュミール(エクアドルの酒)を勧めてくれる。ビール、シュミール、コーラ等を売る売り子達が頻繁に席に回ってくる。
「ブルース・リー知ってるか?」とか「空手できるか?」とか、いつもと同じパターンの質問がオヤジどもから飛んでくる。そういえば、客層は幅広い。若者グループも当然いるし、それに負けない数のオヤジ達もいる。親子連れも多い。さすがサッカー。国民スポーツだ。休みの公園ともなれば、それこそここにいる全員がサッカーやってんじゃないかな。女の子達もかなりやってるしね。あとエクアボリーか。

後半開始後も一進一退の攻防。だがついに後半30分、キトが1点先制して均衡が破れる。ここからクエンカサポーターは完全に意気消沈。元気のないまま試合終了。1−0でクエンカの負け。タイムアップと同時に(終了直前から)クエンカサポーターは出口へ殺到。対照的にゴール裏のキトサポーターは、試合後も応援歌を歌って気勢を上げていた。

実は、面白かったのはここから。試合後、スタジアムの外で、赤いユニフォームを着た大勢のクエンカファンが何かを待っている。どうも変な雰囲気だ。それを監視するようにこれまた大勢の警官が、隊列を組んで彼らをけん制している。そして試合終了30分後、スタジアムの出口から、出てきました、白いユニフォームを着たキトのサポーター達が。人数は30〜40人。彼らは、警官に守られながらクエンカファンの間を行進する。クエンカファンからキトファンに向かってさかんにヤジが飛ぶ。
と、キトのファンに向かって誰かが物(多分オレンジか何かの果物)を投げた。それを機に、クエンカファンから色んな物がキトのファンに向かって一斉に投げつけられる。同時に罵声が飛び交う。キトのファンも、手に持っていたものを投げ返して応戦する。警官はモノを投げた奴らを追いかける。投げた奴は一目散に逃げる・・・。
キトのファンがスタジアムから遠ざかってもクエンカファンは収まらないらしく、彼らを追っていって改めてモノを投げつける奴もいる。それをさらに大勢の警官が追いかける。取っ組み合いのケンカは見られなかったが、実に面白い光景だったね。
自分のひいきチームが負けた悔しさを、勝った対戦相手のサポーターにぶつける。うーん、何という本能的な行動だろう。いやぁ、人間って面白い。

それにしても、敵地に乗り込むサポーターも命がけだ。もし勝っちゃったら、不満爆発寸前、圧倒的多数のホームチームサポーターを敵に回すことになるわけだ。ただ、こんな光景はヨーロッパサッカーではきっと当たり前。奴らはホントにマジだ。まるでサッカーの試合が自分の人生であるかのように。試合後は、サポーター同士のケンカが必ず起こるからね。フーリガン。


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