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エクアドル日記(2004年10月)
10月4日(月)  

今日は再び俺がエクアドルに来てからこれ以上ない衝撃を受けることとなった。
俺が勤務する職業訓練校「SECAP」の校長が突然変わったのである。今までは、一応法律の博士号を持っているそれなりの人物が校長を務めていた。(もっとも、彼も校長らしい仕事、つまり「この学校を良くしようとする努力」には全く欠けていたが。)
それが今日から突然変わった。後任は誰か?何と、
今までSECAPの小さな図書館で、図書の貸し出しやコピー機の管理をしていた「オバちゃん」が新しく就任したのである!全くの仰天人事だ。

プエンテ・ロト(壊れた橋)
(クエンカ)


なぜ彼女は突然新しい校長になれたのか?理由は簡単だ。彼女が、現エクアドル大統領の知り合いだからである(彼女のいとこが、大統領の義理の兄弟)。現在権力の座にある人間(大統領)の親族・知人どもは、大統領からその権力の一端を分け与えられ、高給を貰うことができるのである。全くその道に精通してなくても、能力があろうとなかろうと、だ。全くの素人であっても、大統領の知り合いでありさえすれば、どんな公的機関の長にもなれるのである(SECAPは国立である)。このオバちゃんは気さくで気のいい人物だが、見たところ技術のことが分かっている節は全くない。俺はよく図書館にコピーをしに行くのだが、このオバちゃんとはよく他愛もない世間話をする。「シンヤ、エクアドル人の女の子はどう?」とか下世話なことを聞いてくる。そういった話題をするのがせいぜいだ。それ以上のマジメなことを話し合った記憶はない。

実は以前にもこんなことがあったそうだ。前の前の校長が、この図書館のオバちゃんにクビにされた、というのである。つまり、このオバちゃんのお気に召さなかった前々校長は、このオバちゃんの権力に通じた人脈により、辞めさせられたのである。で今度は、オバちゃん自分自身が校長になろうというのだ。考えられるかい?国立学校の中で人事権を握っているのが、関係省庁でなく、
図書館の一オバちゃんなんだよ!おかげでこの学校の職員・教師達は、このオバちゃんを敵には回せないので、自然とこのオバちゃんに対して卑屈になるわけである。
俺達は今一体どんな社会で生活してるんだ??

それにしても、ただただあきれ返るばかりだ。まさしく、「民主主義など存在しない中南米」とはこのことである。日本では考えられない人事である(「天下り」がそれに近いが、一応その道にある程度通じた人間が、関連企業に天下ることが多い)。
「図書館のオバちゃん」だよ?こんな馬鹿げた汚職が公然とまかり通っているとはにわかには信じられないが、これが中南米の現状である。百鬼夜行か魑魅魍魎の世界とそれほど変わりはしない。

さて、これからこの学校はどうなるんだろう?俺達の活動は?
このオバちゃんに経営能力があるのかは分からない。協力隊の活動意義を理解しているかも分からない。いや、ひょっとしたらとてつもない才能の持ち主なのかもしれない。
もしそうでなかったら・・・。とにかく、ダメならダメでこの国のこのシステムと「対決」していくしかない。


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