HOME > THE WORLD > Latinoamerica > Ecuador > Diario > Diario2004 > 041010

エクアドル日記(2004年10月)
10月10日(日) 雨後晴れ(リオバンバ)  

〜世界の車窓から〜(その12960)


今日は、南米エクアドルより、世界で唯一屋根に乗ることの出来る観光列車の車窓からお届けします。とは言っても、屋根に乗ってて窓なんかないから、
「車窓から」じゃないんだけどね!



エクアドル中心部、アンデス山中の只中、チンボラソ州の州都がここリオバンバです。ここから、世界で唯一列車の屋根に乗れる観光列車が発車します。運行日は、毎週水、金、日曜日の週3日。先頭に機関車、その後ろに4両の貨物列車、最後の1両が通常客車。屋根の上に乗れるのは、貨物列車です。それでは乗りこんでみましょう。
小雨が降るリオバンバの鉄道駅を朝7時定刻に発車した列車は、市街地を抜けすぐに畑と山々を見渡すのんびりとした風景に入っていきます。列車のスピードは時速30kmくらいでしょうか。
屋根の上には、欧米の白人観光客達がびっしりと乗っています。この特等席は常に満席状態。出発時刻1時間前の朝6時にはもうほとんど埋まってしまいます。
そして、この屋根の上には、色んな物を売る売り子の人たちが絶え間なくやってきます。冷たい雨の降る屋根は、寒くてたまりません。そこを狙って、温かい飲み物や防寒対策グッズを売る大勢の売り子達が攻勢をかけてきます。日本流に言えば、こんな感じでやってきます。
「コーヒー、紅茶、サンドイッチはいかがですか?」
「手袋、帽子、雨対策のビニール袋はいかがっすか〜。」
「チョコレートにバナナ、水はいりませんか?」

列車は、アンデスの山合い、緑の畑や牧草地、小さな集落が織り成す優しくも雄大な風景の中を進んでいきます。しっとりと雨に濡れた緑が、牛達が丘で草を食んでいる姿が、緩やかに後ろへ流れていきます。1時間ほどすると、降っていた雨も上がり、徐々に天気は回復してきました。

さて、乗客たちは思い思いに過ごしています。おしゃべりを楽しむ人、雄大な風景の写真を撮る人、パンやバナナを食べる人・・・。
おっと、乗客の一人がゴミを屋根から投げ捨てました。白人系の観光客がほとんどですが、中にはエクアドル人も乗り込んでるようです。この行為を見れば、一目でこの乗客がエクアドル人であることが分かります。彼は、この後何度も何度もゴミを投げ捨てました。ってお前よ、ゴミ捨てんじゃネェよ!

リオバンバを出発して2時間後、列車は最初の停車駅ワモテに到着。朝方の雨がウソのように空は晴れ上がりました。20分の休憩の間、乗客は屋根から降りてタバコを吸ったり屋台のサルチパパ(ソーセージとフライドポテトの入った南米特有のおやつ)を食べたりしてくつろいでいます。そして列車は再び走り始めます。

線路の周りでは、屋根に乗客を乗せて走る列車にエクアドル人の子供達が盛んに手を振ってきます。かわいいものです。僕らも手を振り返して応えます。どこを見ても家のない、山奥の大自然の只中にも、どこからやって来たのか、子供達やインディヘナの親子が線路脇で待ち構えています。そして、1週間に3度運行するこの列車を待ちかねたように手を振ってくるのです。
ところが、その子供達に、僕らの隣に陣取る、おそらくドイツ人かオランダ人か北欧系と思われるオバサン軍団は、チュッパチャップスのような飴玉を盛んに投げています。まるで動物園の猿に観客がエサをやるように。であろうことか子供達はそれを我先に拾いにかかります。
ってババァども、お前ら何様のつもりやねん!お前らはこのガキどもより優越してるってか?チャンチャラおかしいぜ!!屋根の上から、自分の飼い犬にエサをやるように飴を子供達に投げつけるこのオバサンたちに対して、言いようのない嫌悪感を感じます。

でガキども、お前らもお前らだ!!そんな能無し白人ババァどもに恵まれた飴玉、そんなに嬉しいか?そりゃ、生活は大変で、毎日学校にも行けずに親の農作業の手伝いして、飴玉なんて1年に一度食うか食わないかのご馳走かもしれないけどさ(あくまでも想像です)。
「こんなのいらねぇ!俺達は乞食じゃねぇ!」ってその飴玉拾ってババァの顔に思いっ切り投げ返すぐらいの骨のあるガキはいねぇのか?お前らはいつまでたっても負け犬のままで終わるのか?チクショウ。

列車は、リオバンバを出発してから4時間後、アラウシの駅に到着しました。リオバンバからはおよそ100kmの距離です。明日は、ここアラウシを出発し、悪魔の鼻(ナリス・デル・ディアブロ)に向かいます。



〜世界の車窓から〜(その12961)

今日も、南米エクアドルからお届けします。

アラウシを出た列車は、すぐにゴツゴツした岩山の荒々しい風景の中に入っていきます。片側の線路の下を見ると、急な崖。谷底には小さな川が流れています。そして、この急斜面をスイッチバックで渓流の谷底へ降りていきます。2度のスイッチバックを繰り返した後しばらくして、列車は谷底に着きました。そこからは、悪魔の鼻(ナリス・デル・ディアブロ)と呼ばれる山を見上げることが出来ます。「悪魔の鼻」と言うからには、世にも恐ろしい形をした山なんだろうと、みなさんお思いでしょう。もちろんそう・・・、あれ?ナンだよこれ、
ただの山じゃねぇか!!一体どういうネーミングしてんだよ?

悪魔の鼻(ナリス・デル・ディアブロ)

スイッチバックで急斜面を降りる

このエクアドルの鉄道は、100年以上前の1902年にグアヤキル−アラウシ間が開通した、由緒ある鉄道です。その建設は苦難の連続でした。「工事に世界一困難を極めた鉄道」として知られています。何しろ2000m〜3500mのアンデス山中を走る列車です(最高地点は3604m)。その中でもここアラウシ近くの、ほとんど垂直の急勾配が工事の一番の難関でした。ここでは、工事中に多くの尊い命が失われました。この工事の困難さが、この山に「悪魔の鼻」という名前をつけさせたのでしょう。

その列車は、100年経った今でも、エクアドル観光の目玉としてアンデス山中の雄大な景色の中を走り続けています。

列車は、悪魔の鼻からUターンして再びアラウシに戻ります。アラウシ到着は午後1時過ぎ。リオバンバを出てからおよそ6時間の列車の旅が終わります。

明日のこの時間は、同じく南米エクアドルより、北部イバラの街の「車窓」からお届けします。


>次の日の日記へ

HOME > THE WORLD > Latinoamerica > Ecuador > Diario > Diario2004 > 041010