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エクアドル日記(2005年3月)
3月20日(日) 薄晴れ(キト)
キトの日本人学校
キト日本人学校校歌
授業の様子
ラ・ぼんち サードライブ@キト日本人学校
今日はキト市郊外にある日本人学校で、ラ・ぼんちの第3回ライブを行う。
エクアドルに在留する日本人は数百人いるが、そのほとんどは首都キトに住んでいる。多くは商社・企業の駐在員、大使館、そして国際協力機構(JICA)関係の人々である。キトの日本人学校には、主に彼らの子息が通っているが、在留日本人の減少により年々生徒数が減り、今では十数人。
在キト日本大使館領事の富樫さんに、この日本人学校での演奏を要請され、我々「ラ・ぼんち」が勢いよくこの日本人学校に乗り込んだわけである。日本から遠く離れたエクアドルに住む日本人の子供たちに、大和魂、いやロック魂を植えつけるために俺たちはクエンカからやって来た。幼少からのロック教育。ロックな人材こそが、現代日本にもっとも欠けているものである。
ロックに小難しい理屈はいらない。感じろ!
当日、朝集合。協力隊員10人くらいが集結。バスケコートでバスケをして遊ぶ。
そして子供たちの一日は、外でのラジオ体操で始まる。
立派な学校だ。校舎は日本にある普通の学校に遜色ない。教室も多い。体育館にグランド、バスケコート。鉄棒、懸垂渡り棒。
朝の授業が始まると授業を見学。子供たちの父兄が先生役を務める。キトのSECAPに勤める専門家の立壁さんも算数を教える。ちなみに、立壁さんの叔父さんは、あのドラえもんのジャイアンの声を務める声優のたてかべてつや氏である。
学年ごとに数クラスに分かれ、2時間の授業は、算数、国語。昔懐かしい漢字や算数のドリル。いつでもどこでも、人生、一生が勉強だ。忘れるなよ、子供たち。
校内には、校歌が壁に掲げられている。歌詞には、「ピチンチャの峰にひとすじの雲」、「赤道よぎるアンデスの尾根」、「夕日に染まるコトパクシ」といったエクアドルゆかりの地を表現している。一度聞いてみたいものだ。
そして、この学校の教育目標も掲げられている。
よく考え学ぶ子
明るく思いやりのある子
強くたくましい子
エクアドルを進んで理解する子
この4行目こそは、僕ら協力隊員のあるべき姿でもある。そう、俺たちが技術移管よりもまず最初にしなければならないことは、この国を理解する努力をすることである。
さて。今日の3時間目。”音楽の授業”と銘打った、我々ラ・ぼんちの体育館ライブが今日のメインイベント、特別授業である。
学校には、古いながらもマイクやマイクスタンドやスピーカーといった機材が揃っていた。体育館のステージ下にセッティング。
ギターで学校の始業チャイムを鳴らし、後藤直子の起立、礼からライブはスタート。
ライブは少年ナイフで始まり、ブルーハーツのレパートリーを撃ち続ける。始めは戸惑っていた子供たちは、曲が進むに連れてやっと乗ってくる。
そして中間部は、参加型企画、「あるある探検隊」だ。
レギュラーのあるある探検隊を、トシさんと大将が真似する。レンガ積みのパフォーマンス。
俺たちは、このレギュラーなるお笑いコンビの、あるある探検隊を、ムロさんの家で初めて見た。ムロさんの日本の友達が、今日本で流行っているお笑いのDVDをエクアドルに送ってきたそうで、その中にあるある探検隊が収録されていた。
大将とトシさんのあるある探検隊
何と言っても面白いのは、片方が積んだ厚紙製ブロックを、相方が蹴って無残に崩し、再び積むことを強要する「楽しいレンガ」のパフォーマンスである。石を積んでは鬼に崩される賽の河原のように、ブロックを積んでは崩される。見ている方はその一直線の下らなさに大笑いできるし、やってる方も崩されては積む、を繰り返す間に結構M的な楽しさが湧き上がってくるのかもしれない(笑)。
それにしてもこのギャグを考えたレギュラーは、天才的だ。こんなクダラな面白いことを考え付けるのは、よほどの観察力・洞察力がなければ出来ない。ただ俺たちが日本に帰る頃に彼らがまだ芸能界に生きているかどうかはまた別問題なのであるが・・・。
そして再びラ・ぼんちの第2部。最後の『リンダリンダ』では、子供から大人まで会場の全員に飛び跳ねることを強要し、盛り上がりが頂点に達してライブは終わった。と思ったらアンコールが。これはやるしかないとばかり、子供とその父兄の前で、最後の曲は『少年の詩』。知っている人は分かるだろうが、この曲は不良少年賛歌であり、大人に理解されない少年、学校に斜め向きに抗っていく少年が、「そしてナイフを持って立ってた、そしてナイフを持って立ってた、そしてナイフを持って立ってた、ナイフを持って立ってた」と歌うのである。
こんな非教育的な名曲を、子供たちとその父兄の前で声高に歌う。これぞロックである。
今回は子供達が相手ということもあり、食いつかせるための趣向を考えてしまった。「ロックは決して大衆に迎合しない」という原則は分かっているが、今回は俺の大人の一面が出てしまった(笑)。歳を取って分別がついてくると、まことに残念なことであるが、色々大人の対応が必要になるのである。永遠のロッカーとしてこの現代社会で生きていくのは、何と困難なことか。言い訳だが。まったく情けないのであるが。
ラ・ぼんち ライブ映像
あるある探検隊
ライブを終えた俺たちは、子供たちや父兄から大絶賛を受ける。ま、社交辞令にせよ、俺たちにはライブ後の充実感がある。
子供たちは、「楽器を弾かせて!」と俺のギター、モロちゃんのベースを、ステージの上でアンプを通してかき鳴らす。みんな生まれて初めて弾いたようだ。始めはちょっと恥ずかしそうにはにかんでいた子供たちの顔が、どんどん生き生きしてくる。音楽の持つ力だ。俺の同期の養護隊員の池田篤は、知的障害者相手に、ギターをかき鳴らして授業をするという音楽療法を実践している。人類誕生のあけぼのから、ある意味音楽は本能に直結してきたものだったんじゃないかという気がしてくる。
俺たちは日本人学校を後にした。どこへ向かったのか。キト中心部の一流ホテル、スイスホテルだ。なぜか?
これから、3ヶ月に一度のキト恒例、日本人会主催の麻雀大会なのである!俺たちが麻雀好きなことをキト日本人会の方々に話したところ、彼らは快く俺たちを仲間に入れてくれた。もともと慢性的に参加人数が不足しているそうである。
参加費は35ドル。優勝者の賞金と、飲み代、大会後の食事代である。
午後3時半から麻雀大会開始。参加者は、エクアドル在住邦人、商社の駐在員、大使館関係者、日系ホテル関係者、JICA関係者である。そして必ず数人の奥さんたちも参加している。これらのオバさん方が結構手ごわかったりする。毎回5卓を立てるので、参加者は20名。このキト日本人会定例麻雀大会に我々クエンカ麻雀部会員が参加するのは今年1月以来2度目である。前回は、1月の隊員総会の翌日、クエンカ麻雀部会員4人して殴り込み、3人は惨敗したが、大将が何と20人中トップを取り、賞金100ドルをゲット。
ルールは、毎半荘1時間限定で、4時間で4半荘を戦い、点数総計を競う。2万5千点持ちの3万点返し、ウマなしのトップ賞のみ。よって2着も3着も大きな違いはなく、麻雀とは元来そういうものであるが、トップにならなければ意味はない。そして1時間で半荘が終わる可能性は低いので、親が多く回ってくる起家が有利。1半荘ごとにくじ引きをして卓のメンバーが変わる。
飲み放題の酒を飲みながら、いい気分で高速麻雀。みんな早く親を回そうととにかく打牌が早い。特にオヤジたちはその打ち方といいその構え方といい、いかにも百戦錬磨ぶりが明らかだ。若輩者の俺も、奴らに気圧されぬように頭をフル回転させる。
激戦の末、俺は4半荘でトップ3回、2着一度で、堂々の優勝。つまり、20人中1位の快挙。賞金70ドルをゲット。だが、最後に一緒の卓のいかにも的オヤジに、四暗刻をツモられた。この大会では、役満賞が190ドルと、優勝賞金よりも高い(役満が出ると、一人の場合は他の参加者19人が一人10ドルずつ払い、190ドル獲得。二人役満が出たら、残り18人からの180ドルを二人で山分けするので一人当たり90ドルゲットとなる)。
悔しい。やはり裏技を使われたのか。卓は手積みなので、何があってもおかしくない。油断も隙もない。さすがに阿佐田哲也世代。奴らとの麻雀は気を抜けない。
ま、何はともあれ、これで前回の大将に続き、今回は俺が優勝と、2回連続で協力隊員が総合優勝を飾ったことになる。ちょっと申し訳ない気もするが、各自自分で会費を払ったものが賞金になるわけだし、勝負とは強いものが勝つ、弱者はモノをいう資格のない容赦ない世界であるので、気にすることはない。おじさんたちは、いくら経験豊富だろうが、自分の雀力のなさを嘆くしかないのである!
麻雀大会の後は、これまた恒例の日本食食事会。ここスイスホテルには、『たのしい』という日本食レストランがあり、その料理長である谷田さんが、キト日本人会の現会長なのである。彼には、以前1月の隊員総会をスイスホテルで開催したときにも、大変お世話になった。この麻雀大会では、『たのしい』の食事をバイキング形式で大いに楽しめるのだ。麻雀やって酒飲んで日本食。エクアドルでは考えられないような時間だ。これで35ドルなら安いものだ。
俺たち協力隊員組は、普段めったに食えない寿司や天ぷらやそばなどを心ゆくまで堪能する。今日は麻雀に勝って、日本食を食って、最高の一日となった。
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