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エクアドル日記(2005年4月)
4月22日(金) 曇り時々晴れ一時雨

今日、3日ぶりにオバちゃん校長が学校にやって来た。彼女は、何事もなかったかのように校長室に入り、何事もなかったかのように仕事をしていた。この態度に、各職員は動揺を隠せないようである。つまり、彼女は校長の座に座り続けようとしているのである。この国のシステムとしては、今新大統領が組閣に入っていて、これから労働大臣が決まると、この大臣により労働省管轄の国営・国立の各組織の長が任命される(SECAPは労働省管轄である)。今まで主な国のポストをグティエレス一味が占めていたわけであるが、これから新内閣の各大臣が行う人事により、各機関の長が刷新されるはずである。常識的に考えれば、グティエレス一味だった彼女が校長職を継続するのは難しいだろう。だが、万が一にも次の権力者とうちのオバちゃん校長が何らかの形で知り合いだったとしたら、彼女がこのまま校長のポストに居座ることも全く不可能ではないわけである。

去年の年末思いっきり燃やされた
ルシオ・グティエレスの人形(グアランダ)


彼女が自ら辞任する意思をカケラも持ち合わせていないことを知り、職員の足並みは乱れた。万が一彼女が校長の座に留まった時のことを考える職員が、辞任要求を撤回したのである。つまり、その時に備えて、彼女とは良好な関係を保っておきたい、という自己保身の一手である。これにより、25人の職員中、辞任要求にサインしたのは17人となったようである(我々ボランティアは正職員じゃないので関係ありません)。同僚のシルビアは、辞任要求署名を撤回した職員を猛批判して言った。
「昨日まで『校長辞めろ!』って大声で言ってた人が、今日校長が来てみたら手のひらを返したように『やっぱりサインしない』ですって。本当に臆病者。これだからいつまでたってもエクアドルは変わらないのよ。」
この職員の署名は、キトの人事院に送られる。この署名がどの程度の威力を持つのか分からない。だが、25人中17人というのがどう影響するのか。3分の2はかろうじて確保しているが、職員の総意と言えるのか。

それにしても何の技術的なバックグラウンドもなく前大統領の権力のおかげで職業訓練校の校長になれたオバちゃんが、大統領が撃沈した今、変わらずその権力の傘の下にいるかのように自分の地位を離そうとしない。普通の人間だったら、自分の能力ではなく、いわゆるコネにより高い地位に就いた自分のことを、職員達がどう思っているかくらい想像できるであろう。そしたら、この状況では何がしかの後ろめたさというか、居心地の悪さを感じるはずである。職員達の白眼視を知りながらも平然としているその鉄面皮ぶり。おそらく、これはエクアドル人の特性でもあって、エクアドル人だったら自分から辞任する奴など皆無であろう。だが、彼女も彼女なりに色々今後の展開・可能性を考えているはずである。確かに、ここで自分から動いてもしょうがないのは事実だ。まずは待ちの一手。上の人間が決まって、その人間の裁定にゆだねるのか、はたまた得意の人脈を生かして生き延びるための裏工作に出るのか。
とりあえずは新しく任命された労働大臣の人事執行を待つしかないのであるが、このオバちゃんの先行きから全く目が離せない。

PS
日本ではエクアドルのこの一連の大統領解任騒動をCNNと朝日が報道したそうですが、みなさんご覧になったでしょうか。


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