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エクアドル日記(2005年4月)
4月25日(月) 曇り時々雨後一時晴れ後雨
今日は、先週グティエレス政権が崩壊したにもかかわらず依然として素知らぬ顔で校長室に居座り続けるオバちゃん校長の強権がまたまた発動した。
SECAP電気科の生徒(1年生)
校長辞任要求に署名した職員が次々と校長室に呼び出されたのである!
自分を辞めさせようと思うとはケシカラン!ということで、一人一人に説教をぶったらしい。
電気科の講師陣も次々と呼び出され、校長室で1対1の対面である。オバちゃんは、辞任要求に署名した職員にその真意をただし、「今後はアタシに逆らうんじゃないわよ」とばかりに圧力をかけたそうである。睨みを利かせたわけだ。
このままこの校長が残るかもしれないことを考えると、彼女の前でなかなか強気には出れない。だが、電気科の冷凍空調(注1)の新講師、ハビエルは違った。彼から聞いた話を再現すると、彼とオバちゃんとのやり取りは以下のようだったらしい。
オバちゃん
「あなた、なぜ私の辞任要求にサインしたの?」
ハビエル
「そりゃ、アンタがこのまま校長の座に留まるのはおかしいからさ。アンタ、ルシオのおかげで校長になれたんだろ?ルシオはブラジルにトンズラしちまったんだぜ?」
オバちゃん(怒りで顔を真っ赤に紅潮させて)
「あなた達がこうしてここで働けるのもルシオのお陰なのよ。」
ハビエル
「何言ってんだ、それはアンタのことだろ。一介の看護師で実力も能力もないアンタがここで校長やれてんのはひとえにルシオのお陰だったんだろ。本当なら、アンタは校長としての資格を満たしてないんだよ(注2)。そのルシオがいなくなった今、アンタは辞めるべきじゃネェの?ルシオと俺たちは関係ネェよ。俺には能力があるからここで働けてるんだ。(冷凍空調の)コンクールで優勝したこともあるんだぜ。」
スゴイ。素晴らしい。ここまでハッキリと「事実」をオバちゃんに面と向かって言える職員はここにはいない。ここには長く働いている職員が多く、彼らの多くはオバちゃんとずーっと一緒に仕事をしてきた「仲間」なのである。その点、今年2月に新規採用されたハビエルは、そんな人間関係的しがらみから離れたところにいる。さらに彼は「狂犬」と呼ぶにふさわしくズカズカとモノを言うタイプである。今この学校の最高権力者であるオバちゃんの顔色を伺っておべんちゃらをつかってビクビクと自分の職を守ろうとするようなタイプでもない。
プライドの高いオバちゃんが顔を真っ赤にしてわなわな震えて怒りを抑えていた様子が目に浮かぶ。
それにしても、まだまだ校長ヅラをし続けるこのオバちゃんの天下は、一体いつ終わるのだろうか。どう見ても、それはもう風前の灯なのだが。
(注1)「冷凍空調」とは、冷蔵庫やエアコンに代表される温度冷却機器を教える科目である。
(注2)私が働く職業訓練校SECAPは国立であるが、役職に就くには学歴が必要である。これは法律で決っている。オバちゃんは短大卒であり、学士号も持っていないので、法律上はSECAPの校長にはなれない。だが、そんな法律も、権力者の前では何の意味も持たなくなるのである。法的に全くその資格を持たない人が、大統領の親戚であるというだけであっさりとその法律に勝って、ある地位に就くことができる。法律が無効な社会とは、文明社会ではなく、昔の弱肉強食の、強者が暴力で支配する社会と変らない。権力者の意向だけですべてが決まる、民主主義とは程遠い社会。エクアドル人も気づいているはずなのに全然変らない。植民地時代の、「支配者が搾取し富を独占し、貧者は搾取されるまま何もできない」社会の構造から、いつまでたっても抜け出せない。権力側にいる人間は、その利権、甘い汁を誰にも渡したくないから法律を変えるコトなんて考えもしない。
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