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LIFE IN AMERICA
アメリカ雑感
(1)アメリカ人
アメリカはミネソタ州、ミネアポリスの街を歩いていると、すれ違う人々のうち白人のおじさんおばさん達は、見ず知らずの私に大抵笑顔で挨拶してくれる。ミネアポリスではアジア人が比較的珍しいせいもあるだろう。私の、ミネアポリスでのアメリカ人(白人)に対する第一印象は、やはり「フレンドリーな人々」であった。きっとこれがカリフォルニアだったら違ったに違いない。カリフォルニアにはアジア人など掃いて捨てるほどいるのである。西洋白人においては、基本的にあまり見かけない、自分と違う人種の人間が自分達の土地にやって来たら、大体優しく接してくれる。
毎日のように買い物に行くスーパーのレジのオバちゃん達も、みんなフレンドリーだ。これは、ミネアポリスが超大都市でないことにも関係してるだろう。大都市だと人が多すぎて人は人と距離を置きたがる。(ただし、例えばニューヨークでは、私がエンパイアステートビルの写真をどんなアングルで撮ろうかと動き回りながらカメラを構えていると、30歳くらいの白人サラリーマンのおじさんが声をかけてきて、「エンパイアステートをバックに(お前の写真を)撮ってやるよ。」と言われて撮ってもらったり、シカゴでは地図を見ながら道を探していると、白人の年配のおじさんが「どこに行きたいんだ?」と声をかけてきて、道を教えてもらったりした。大都市でも基本的にはフレンドリー・カインドであることに変わりはない。)
南部アラバマ州の田舎に行ったとき、ハイウェイを車で走っていて、(本当はいけないんだけど)路肩に車を止めて雄大な風景の写真を撮っていると、通り過ぎる車が次々と止まってくれる。そして乗っている人々は口々に私に声をかけてくれるのだ。
「どうした、車が故障したのか?」
「いや、写真を撮っているだけだよ。」
「そうか、じゃぁ気をつけてな。」
「ありがとう。」
ハイウェイで車が故障した時の大変さを知っているのだろう、何しろアメリカの田舎では何十キロに1度しか街を通らないような道ばかりなのだ。人々がお互いに助け合う気持ちがあふれている。この時は「アメリカ人ってのはいい奴らだな」と素直に思ったものである。ミネアポリスでも、マイナス何十度の真冬には、車のバッテリーが道の真ん中で上がってしまい、立ち往生してしまうことがよくあり、その時にはすぐに通りかかった車が止まって、ケーブルをつないでジャンプアップしてあげる。日本だったら例えば明らかに故障だと分かっても、見て見ぬフリをする人が多いじゃないですか。
黒人の人たちは、事情が違う。私の知る限り、見ず知らずの日本人に対してフレンドリーな人は少ない。それは、彼らが負ってきた歴史に関係があるのかもしれない。彼らは基本的に常に虐げられてきた。他人に愛想を振りまくような気持ちになれないのかもしれない。たとえ白人が彼ら黒人にフレンドリーに接しても、黒人の人達は素直に受け入れられない気持ちがあるのかもしれない。現代アメリカでももちろん根底には黒人に対する差別意識は残っているし、彼ら自身がアメリカで生活する上でそのことを感じているに違いない。
ミネアポリスでバスに乗る際、知り合いの日本人から教えてもらったことがある。それは、『バスの後部座席、それに近い座席には黒人の人達が乗ることが多く、彼らの中には犯罪に手を染めている人もいるので、なるべくバスに乗ったら前のほうに座ったほうがいい。』ということだった。これは、奴隷時代の名残らしく、奴隷制度の頃は黒人の人達はバスでは後部にしか乗れないようだったのだ(もちろん、もっとひどい時は、バスにしろレストランにしろ「黒人お断り」がまかり通っていたわけである)。
実際に乗ってみると、確かにその傾向がある。後部に座っている人は、黒人の人とか汚い格好をした肉体労働者風の人が多く、白人のおじさんおばさんは前のほうに座っている。もちろん私はそんなこと気にせずに、「俺も白人から見れば『有色人種』さ」とばかりに、後ろにも平気で乗っていたが、そういうことが今でもあるということが、アメリカでの黒人差別の一つの継承なのだと感じられた。
(2)アメリカに住む日本人
俺がアメリカに住んでいた1998年2月、日本では長野で冬季五輪が開催されていた。その様子を、俺はテレビで感慨を持って見つめた。そこに映っている日本の風景が懐かしく感じられただけでなく、日本人がオリンピックで活躍するのを見ることに大きな喜びを感じたからである。
アメリカに一人暮らしをして、毎日英語をしゃべって、どこかリラックスしていない自分がいる。自分では完全にアメリカの生活になじんでいるつもりでも、「自分が外国人であること」、「英語はそこそこしかしゃべれない」ということが根底にあるから、どこか常にがんばっている。
そんな時、日本人が世界の舞台で活躍している。これを見た時、なんか励まされたよね。日本人、がんばってるなー、俺もがんばらねぇとな〜、とか思ったよ。何かこんなこと書くと俺が弱い人間である感じを受けるかもしれないけど、いや、実際そう感じたことは確かだ。もちろん俺は世界のどこでも生きていける自信はあるけど、「自分は日本人」という意識は常に根底にあるんだなぁ、ということが分かった気がした。
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