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日記
(2006年6月)
2006/6/30 (Fri.)

ワールドカップを見ながら考える

各国の代表チームを見るとき、どうしても人種とか宗教を考えてしまう悪い癖がある。人種について言えば、例えばヨーロッパのチームは基本的に白人が多いのが普通だが、フランスなどは移民を積極的に受け入れた結果、代表チームには以前植民地にしていたアフリカ系の黒人選手が多くいる。逆に、ほとんどが黒人のはずのアフリカのチームに、白人が混じっていることがある。今回はアンゴラに白人選手がいたが、彼はアンゴラの旧宗主国であるポルトガル出身だそうである。彼の祖先がアフリカで先住民である黒人から搾取と横暴を繰り広げたわけなのだろうなぁ、などと考える。

得点の瞬間、ゴール裏の観客席から一斉に旗が揚がる
(千葉市・福田電子アリーナ)

南米では、アルゼンチンやウルグアイは白人系の選手が多い。これはこれらの国にはヨーロッパからの移民が多く住んでいることに由来する。エクアドルは代表選手に黒人が多いが、その人口構成比は数%である。これは黒人選手の身体能力の高さを如実に表している。
外国人が日本チームを見たときには、サントスがいるのに違和感を持つのだろうなぁ。(余談だけど、今後サッカーの各国代表チームには、ブラジルからその国に帰化した選手が増えるのかもしれない。王国ブラジルでは代表になれないけれど、他国でならそのハードルはガクンと低くなるわけで、そうなると全サッカー選手の夢、ワールドカップ出場も夢ではなくなるのである。ポルトガルのデコはブラジル出身、日本でもサントス以外に8年前のフランス大会に出たロペスもブラジル人である。)

そして宗教。ピッチに入るとき、出るとき、ゴールを決めたとき、はずしたときなどに胸で十字を切る選手が多いが、これは彼らのキリスト教信仰を明確に表している。キリスト教国対イスラム教国の試合で主審が十字を切ったりすると、「おいおい、この試合大丈夫かよ?」と思ってしまう。イスラム教国の試合中に祈りの時間がきたら、選手は試合そっちのけでメッカの方角向いて祈り始めたりすんのかな?とか。
その点、やはり日本人は宗教に拘泥していないところがいい。日本チームではサントス以外は誰もピッチ上で十字を切ったりしない。

スポーツは政治や宗教とは無縁と言われるかもしれないが、こと信仰という形で自分の生き様を規定する宗教は、その個人深いところでその人の根幹を成しているわけで、どうも危なっかしいと感じてしまう。折りしも最近イスラム教とキリスト教の衝突が取り沙汰されている世の中だからね。
2006/6/23 (Fri.)

8人がけの想定外

京急電鉄に乗っていると、横長の座席の上に、こんな表示があることがある。
ここは8人がけです(譲り合って座りましょう)

新宿のカラオケボックスで朝まで叫び続ける。
朝5時、明るくなった外に出て、駅へ向う長蛇の列に
混じって歩きながら、東京ダメ人間を実感する。

つまり、一人一人がスペースを使わないように謙虚に控えめに座って、8人座れるようにしましょう、ということである。
一見譲り合い助け合い精神を掲げたごもっともな呼びかけのように映るが、ちょっと待ってもらいたい。
確かにフツウの体型の人たちばかりが座れば、8人座れるであろう。それでも結構ギリギリである。そんな状況で例えば体重120キロ、横幅がフツウ人の二人分ある巨漢がいたら、この目的は達成されないことになる。このデブ、いや巨漢は、相撲取りででもなければ好きこのんでデブであるわけでもあるまい、だけど立ってるのは巨漢ゆえにツライ、そうなると座りたいが、『ここは8人がけです』などという表示があるところでは自分はとうてい座れない、なぜなら自分が座れば決して8人は座れないからである、あぁどうしよう、などというデブ排除差別世界の幕開け、ということになってしまうではないか。
この表示はあまりにもデブや巨漢の方々に対する配慮を欠いた、まるで世の中に痩せ型の人しかいないかのような、実に全体が見えていない助け合い精神発揚ではあるまいか。
それともこの呼びかけは暗にデブに対するダイエット指令なのであろうか。
まぁ、フツウの体型の私にはあまり関係のないことなんですが。
こんな場合は、「8人」と特定せずに、『みんなで詰めて座りましょう!』といった表現でいいのではないですかね。
2006/6/17 (Sat.)

新生活(1) 激安コンビニ

6月4日に引越しをした。3年ぶりの東京生活である。東京は人の住むところじゃないと頭では分かりつつも、生きる糧を稼がなければならない小市民の悲哀。
さて、そうは言っても新しい街に越してくると、色々なことが新鮮で面白い。私が住み始めた京急沿線の街で今私は商店街にあるいろんな店の品揃えや食堂の味を試している最中である。この街はいわゆる下町風情が残っているところで、金属加工や金型の中小工場がいたるところに点在し、商店街には昔ながらの菓子店や八百屋、魚屋、電気屋などが軒を連ねる。その一方で巨大な高層マンションが建ち、マックや松屋等最近のチェーン系の飲食店も進出していて、古いものと新しいものとがほどよく融合している雰囲気がある。
そんな中今一番の私の興味は99円コンビニと100円コンビニの存在である。店内は、原則値札のついていない商品は99円または100円均一。通常のコンビニやスーパーで100円以上、150円くらいまでで売っているものがすべて100円均一。例えばペットボトル入りの500mlのドリンク。通常は147円のところ100円。またヨーグルトや菓子パン。通常は126円とか116円で売っているものが100円。品揃えも豊富で、野菜、果物やハムなどの生鮮食料品から飲み物、乾きもの、生活雑貨まで揃っている。これはいい。普通の店で通常の値段で買うのがバカらしくなる。毎回1品あたり20円、30円得していれば、チリも積もる。よく考えてみると、パンとかジュースとかヨーグルトとか、100円ちょっとする値段の商品を買う頻度というのは、すべての購買行為の中で最も多いのである。つまり、年がら年中、100円ちょっと(=1ドル)の値段のものを毎日大量に買ってるのである。そう考えると、この100円コンビニの意義は大きい。もちろん、店側としてはそれを踏まえて、あえて薄利多売でやっていこうとしているのだろう。
賞味期限内だけれどちょっと古くなったものを売ってるのか、それとも何か流通でも違うのか、どういう原理で100円が成立しているのか分からないけれど、これはヒットじゃ。
2006/6/3 (Sat.)

シュンスケに見るサッカー市民権獲得

ロッテの本拠地、千葉マリンスタジアム
(千葉県千葉市)

いよいよ4年に一度のサッカーワールドカップ開幕まであと1週間。地球上のいたるところですでにおかしな狂騒状態が勃発している。北朝鮮の金正日がテレビでW杯を見たいもんだから韓国に頼んで北朝鮮国内でも見れるように画策しているとか、バングラディシュでは工科大学の学生が、(W杯を見たいがために)W杯期間中の試験をW杯後に延期するよう大学側に要求し、何と大学はそれを認めた、というようなケッタイであり得ないニュースがスポーツ新聞紙上を賑わしている。世界はもう完全にW杯モードに突入し、熱病に浮かれているかのようだ。(ちなみに、北朝鮮は1966年のイングランド大会でイタリアを破ってベスト8入りした栄光の実績がある。バングラディシュは出場したことはない。)地球上がザワザワ落ち着かないのである。もちろん、全くW杯に興味のないヒトが冷めた目で通常通りの日常を送っていることもまた一方であるだろうが。
僕が住んでいたエクアドルでも、今まで何回も書いたけれどサッカー熱は尋常じゃない。W杯予選の日はみんな仕事もせずに、または仕事を早退してテレビにかじりつく。これが本大会となったら、エクアドルの試合がある日はエクアドル社会全体が完全に機能停止するであろう事は想像に難くない。これで勝ったりしようものなら次の試合まで狂乱状態が続くことは間違いない。決勝トーナメントに進出しでもしたら・・・。エクアドルに戻って人々のアホさ加減をもう一度体験したいくらい。(ちなみに、エクアドルは予選A組、開催国ドイツ、コスタリカ、ポーランドと同組)

去る5月15日、サッカードイツW杯に出場する日本代表選手23名が発表された。夕方、千葉駅前にある大スクリーンでは、代表発表のNHKニュースをやっていた。人々が足を止めて見入る。スーツ姿のオジサン、若い男女、そしてオバサン二人組。代表に選出された中村俊輔が画面中でインタビューに答えている。オバサン二人組は、
「見て見て、シュンスケよ!!」
と嬌声を上げながらスクリーンに見入っている。

いやはや、サッカーもメジャーになったものだ。もちろん、彼女らオバサンたちは、サッカーを知っているのではなく、シュンスケだの中田だのベッカムだの、マスコミに登場する有名選手を断片的に知っているだけだろう。だけど、これでもサッカーというものの知名度が飛躍的に上がったといえるのだ。15年前、どんなオバサンがラモスとか井原とか木村和司を知っていただろう?今のサッカー人気は、1993年のJリーグ開幕で火がつき、1998年のワールドカップ初出場で燃え上がり、2002年の日韓大会ベスト16で爆発したという、ホップステップジャンプ的展開を見せてきた。もっとも、世の中の人の大部分は代表を応援しているのであって、Jリーグには(特定のチーム以外は)あまり観客は入っていない。

サッカーが市民権を得た今日を、目をつぶりながら感慨深くうなずく僕。

去る3月終わり、プロ野球の開幕直後、僕は千葉マリンスタジアムにロッテ−北海道日本ハム戦を見に行った。直前に日本代表がWBCで優勝して世界一になっていたので、ロッテの千葉開幕戦、WBC効果で満員かと期待したけれど火曜の平日ということもあってか満員には程遠く、空席が目立つ。試合はWBCメンバーが活躍したロッテが2−0で勝利。
ロッテの応援団は、今までの野球ファンの応援と大分違う。両手を体の側面につけ、パンクバンドのライブ的核弾頭直立状態で上下に跳ねる。そして歌の合唱。これを見ていて、サッカーの応援を思い出す。千葉が本拠のプロサッカーのチーム、ジェフ千葉と千葉ロッテマリーンズの応援団は、どれだけの人が重なっているのだろう?

むかし80年代に高校で運動部にいた人ならみんな思ったことだろうが、高校時代サッカー部だった僕は、いつも不公平感でくすぶっていた。「なぜ野球ばかりがこんなに注目されるのだ?」と。
高校野球ばかりが全国生中継、それも全試合。当時は、野球以外の高校スポーツというのは全く注目されていなかった。せいぜい全国大会の決勝がNHK教育で放送されるくらいじゃなかっただろうか。
サッカーは最近でこそ冬の選手権はかなりの試合数が中継されている。ラグビーがその次。最近ではバレーも少しずつ注目され始めている。それでも”全試合生中継”には程遠い。卓球部とかバスケ部とかハンドボール部の連中はいったいどうすればいい?県代表になって全国へ行こうと注目されないまま高校生活を終えるのだ。かたや高校野球では、レギュラーにもなれないマネジャーみたいなやつまでスポットを浴びたりするのに、である。しかも年に春と夏、二度にわたり全試合生中継である。下手をすると、神奈川テレビとか千葉テレビ等地元テレビ局で県予選の試合まで中継されたりする。0-14で5回コールド、なんて試合を、である。
これが、野球というスポーツの日本における浸透度を物語っている。野球は日本の文化なのである。

ジェフ千葉本拠地のサッカー専用スタジアム、
フクダ電子アリーナ、通称フクアリ
(千葉県千葉市)


僕が小学校3,4年の頃、野球は明らかに僕たち子供にとって一番人気のスポーツだった。が僕らが小学校の高学年になった80年代突入の頃からその状況は徐々に変わっていった。現に僕は3年、4年の頃は小学校の校庭とか空き地で野球ばっかりやっていたけど、5年からはサッカー部に入り、サッカーしかやらなくなった。この流れは、ちょうど世の中の動きと符合するものだろう。そのあたりからサッカーの静かな進攻が始まったのだが、野球は相変わらず人気はあった。
時は流れ、Jリーグの発足で新し物好き、前からあるものを「古臭い」として敬遠する傾向がある若者がサッカーに流れた。そしてワールドカップ出場でサッカーは決定的になった。そして来月、日本が参加する3度目のワールドカップが始まる。日本中が再びサッカー一色になるに違いない。

春先、日本のWBC優勝後、実家の町を歩いていると、空き地で野球をしている子供たちがいたる所に急速出現した。WBC効果で、熱しやすく冷めやすく影響されやすい子供たちが斜陽化しつつあった野球に飛びついた。

ワールドカップまであと1ヶ月。子供たちが今度はサッカーばかりをすることになるような活躍を、日本代表チームは果たしてできるだろうか。

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