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Japan Travel 2017
日本一周全国行脚の旅
2.「外で泊まる」ということ
旅初日野営地。流山の休憩施設。右の土手は江戸川(千葉県流山市)
筑波総合体育館脇の公園(茨城県つくば市)
白石川緑地公園。野球や陸上のグラウンドがある(宮城県白石市)
君が岡公園(宮城県七ヶ浜町)
むつ市の金谷公園。夜、テント前の道で不良の皆さん(?)が喧嘩の
算段をしていた(青森県むつ市)
寒河江公園。高台にあり、寒河江の街が一望できる(山形県寒河江市)
松本市の芳川公園。朝から散歩者多し。(長野県松本市)
飯山市の長峰運動公園(長野県飯山市)
小浜港にある公園。向こうに入江。釣り人多し。(福井県小浜市)
境港の弥生公園。運河のすぐ脇にある。テントのポールが折れたため、
この後境港のプラント5で新テントをなくなく購入(鳥取県境港市)
中川原公園キャンプ場。向こうの濁流は球磨川(熊本県人吉市)
杵築市海浜夢公園(大分県杵築市)
音戸の瀬戸公園(広島県呉市)
烏帽子形公園(大阪府河内長野市)
ドンピシャの木陰に設営。南馬場緑地広場(和歌山県橋本市)
山崎運動公園(三重県熊野市)
鳥羽の市民の森公園で朝、ラジオ体操をする人々(三重県鳥羽市)
大津市の茶臼山公園。左にあるのは、足ツボ刺激歩道(滋賀県大津市)
くりはまみんなの公園(神奈川県横須賀市)
(1)公園泊
人間はこの地球上に現れた頃、つまり猿から進化してホモ・サピエンスとなった頃、他の野生動物と一緒に外で暮らしていた。まぁ、洞窟などに住むこともあったろう。
縄文時代くらいまでは獲物を求めて移動する狩猟生活をしていた。そして、陸稲や水稲栽培により、食料を確保できるようになったことに伴い、竪穴式住居を作って定住生活へ移行した。
江戸時代くらいまでは浮浪者として野外で生活する人も多かったろう(多分)。いや現代でも「ホームレス」と呼ばれる野外生活者がいる。ここ20年くらいで大分見かける頻度が減った気はするが。
さて、今回の旅では、日本全国を周るという構想であり、しかも無職の身であるので、できるだけ金のかからない旅をしたかった。そこで、宿泊は基本、テント泊とすることにした。
すると、基本的に旅の間中ずっと外にいることになる。
人間というのは、雨風をしのげる場所、つまり屋根付きの家に住むようになり、猿の時に持っていた身体能力は失ってしまっただろう。だが、そのおかげで感染症などの病や苛烈な気候などから免れることになり、野生的強靭性は失ったものの、寿命は伸びた。
普段、普通の人は、屋根のついた家の中に住んでいる。仕事によっては、昼間もずっと屋内にいる、という人も少なくなかろう。
そういう環境に慣れ親しんだ人間がずっと外にいると、自分のひ弱さが身に沁みる。陽が照れば暑くて嫌になるし、雨が降ればずぶ濡れで嫌になる。
人間とはかくもか弱きものか。現代人はすぐに熱中症である。私が子供の頃、この症状は「日射病」と呼ばれていたが、今の方が熱中症にかかる人が多い気がする。温暖化で気温が上がっているせいもあるかもしれないが。
野外生活するうえでは、やはり雨が大敵である。野外には、屋根が付いた場所が少ない。そりゃそうだ、「外」なんだから。
雨が降ると自炊が困難になる。傘を差しながらという手もあるがやりにくい。屋根のついた東屋のある公園などはまれである。
そして、雨が降る中のテント設営は、これ以上切ないことはない。だから、雨がザーザー降りの時は、テントを建てるのが面倒で、車中泊で我慢することも多かった。
テント泊にすると決めたところで当然、「どこにテントを張るのか?」という問題が浮上してくる。
毎年私はお盆の時期になると、山奥に入ってテントを張り、3泊くらいの一人キャンプをしていたのだが、今回は山から山への旅ではなく、観光することが目的であるので、時々山や川にも行こうとは思っているが、基本は街から街へ移動していくことにしている。よって街に割と近いところで野営することになる。
街なか、もしくは街の近くでタダでテントを張れるところはどこか?と考えると必然的に、「公園」、もしくは「無料キャンプ場」となる。
「無料キャンプ場」は、無料といえどもキャンプ場なので、予約手続きなどが面倒だったりして始めはあまり考慮に入れなかったが、旅の後半ではその土地にあれば、積極的に利用することにした。これについては後述する。まずは公園泊について述べていく。
旅の前は、この「公園泊」というのが不安だった。日本に、テントを張れる公園がどれだけあるのだろうか?という不安である。いまや昔と違い、ホームレス的な人々もとんと見かけなくなり、さらに不審者に対する人々の視線はまことに厳しいものがある。
また、そもそも、「公園で泊まっていいのか?」という根源論がある。私の理解は、「法律では禁止されていないはず」である。だが、個々の公園で、所轄する地方自治体が規定したルールには従わねばならない。すなわち、「キャンプ禁止」と公園に掲示されていれば、そこでは野営できない、ということである。(後述の「テント泊のための公園の要件」にも記載)
よって私が公園についてまず確認することは、その公園でキャンプが禁止されていないか、ということである。
実際に公園泊を繰り返してみて、この「公園泊」というのがこの旅で一番のチャレンジであり実験であったと言えよう。毎日、目的地から目的地まで、観光しながら移動する。一つ所に2日は滞在せず、どんどん先に動いていく旅だったので(例外は帯広と室戸の2泊)、よってもって毎日毎日、違う場所で泊まれる公園を探さねばならない。実際、この旅で一番労力と時間をかけることになったのが、この公園探しである。
■公園探し
旅の毎日のスケジュールは、行き当たりばったりの旅ではあったが、概ね以下であり、これを毎日繰り返していた(当然移動距離や観光地の内容によって例外もある)。
@朝〜午後・夕方まで観光
A次の目的地へ車で移動
B夕方〜夜にかけて公園探し
C野営。夕食を自炊し、泊まる
では、適当な公園をどう探すか?泊まる公園確定の手順は以下。
@シムレスのスマホをネット(ワイマックス)につなぎ、グーグルナビで、「この近くの公園」もしくは、「○○市の公園」で検索する。
Aいくつか出てきた公園の場所を確認し、良さそうな公園を選ぶ。
B選んだ公園について、市町村のサイトにリンクされていればそこに飛び、公園の仕様を調べる。トイレがあるか、駐車場があるか、開園時間はいつか、など。
C上記調査の上、よさげな公園に実際に行ってみる。
D行った公園が不適であれば、別の公園に行き、適当な公園が見つかるまで繰り返す
毎日この公園探しに一番の労力と時間がかかった。なぜなら、いい公園がなかなか見つからなかったからである。夕方から夜にかけ、4つも5つも公園を周ることも珍しくなかった。呉(広島県)では、呉に着いた時刻が遅かったのもあるが、なかなかいい公園が見つからず、やっと見つけた音戸の瀬戸公園に着いたのが午前1時くらいだった。
私の場合、公園泊をする公園の仕様、要件をまとめると、以下のようになる。
<マスト条件=必須>
@公園に、「キャンプ禁止」の掲示がない
Aトイレがある
Bテントを張るのに適当な平坦地、できれば草地がある
C車で行くので駐車場がある。そして駐車場が24時間出入り自由である。
→公園の中には、閉園時間になると閉鎖される公園がある。当然駐車場も閉まってしまい、入れない。
<ウォント条件=できれば>
@水場がある(トイレがあればたいてい洗面所はあるので、トイレがあればたいていはOK)
A住宅街の真ん中ではない:住宅街の真ん中にある児童公園などではやりづらい。あまりに目立つので不審者として通報される恐れがある
B駐車場と野営場所があまり離れていない:離れていると、テントや寝袋を持っていくのが面倒
治安も一つの考慮要素ではあるが、幸いなことに日本は治安がいい。テント泊をしていて夜誰かに襲われて金品を巻き上げられるという心配はあまりしなくてよい。これが外国ならば、国によっては外で寝るなどとんでもない、ということになるのであろう。もっとも、途上国と呼ばれる国には野外生活者が多いので、逆にそうでもないのかもしれないが。
初めて行く街で治安がいいか悪いかというのは分からない。だが経験的に分かったことは、治安が悪い街では、公園や公園駐車場は、午後5時とか7時とかに閉鎖されることが多い、ということだ。つまり、「治安が悪い」とは、不良や暴走族や、悪い人たちが多い、ということであり、そのような人々は、夜中にどこかでたむろしたり暴走したりするのだが、夜誰もいない公園の駐車場などは、彼らの格好のたまり場となるわけである。よって、悪い人たちが集まることのないよう、そのような土地の公園は、夜閉鎖されることになる。もちろん、閉鎖の理由はそれだけではないが。
名指しして恐縮であるが、大阪府の堺市で泊まる公園を探していたところ、どの公園も5時になると閉鎖され、駐車場が閉まってしまっていた。もしくは、公園の駐車場が有料である(!)。これも治安対策なのであろう。
堺の街を走り回り、いくつも公園を回ったがいい場所が見つからないので、堺在住のN氏に「堺で野営するのに好適な公園はないか?」とメールで聞いたところ、以下の回答。
「やめといた方がいい。公園で野営なんかしたら、マジで襲われる。」
なるほど。N氏の言葉は半分は冗談にせよ、堺の公園の駐車場状況をみれば、妙に説得力がある。仕方なく、堺での野営を諦め、河内長野まで移動したのであった。
テント泊をしていて一番緊張したのは、青森県むつ市の金谷公園である。ここで野営していたところ、夜11時過ぎに、テントの外が騒がしい。どうやら、高校生くらいの若者がいる。男子2名、女子2名である。緊張しながらテントの中で息をひそめて彼らの話を聞いていると、男の方が、どうやらこれから誰かと対決(喧嘩)しにいくらしい。それを、一人の女子が泣きながら止めようとしている。
うわ、怖ぇーーー。不良さんですか〜??
テントは、公園内遊歩道のすぐ横に立てていて、彼らは私のテントのすぐ横の道路上で話しているのだ。暗がりとはいえ、テントに気づかないとも限らない。
「お前、今の話を聞いたな?」
と秘密の話を聞いたばかりに口封じをされるかもしれない。まさにオヤジ狩りだ。
だが、彼らはしばらくそんな話をした後、テントの前を去っていった。
喧嘩したのだろうか?
喧嘩後にまたこの道を帰ってこないかと気が気ではなかったが、しばらくして緊張が解けると、ほどなく眠りに落ちた。
■テント泊するのに好適な公園まとめ
<概要>ページで述べた通り、67泊のうち、45泊がテント泊で、公園に泊まったのは34泊である。旅を終えた今、公園泊の極意を極めた者として、以下の点を指摘したい。
「テント泊するのに最も好適な公園は、街の郊外にある大きめの公園。敷地面積が広く、駐車場も広い大きな公園には、たいていトイレがあり、片隅にテントを張っても目立たない。何より、郊外にあれば、人が少ない。」
■公園の生態系
生態系といっても動植物のことではない。人である。
私は日本全国の公園で43泊(テント泊34泊、車中泊9泊)もしたので、夜と朝、公園に来る人々を観察する機会を得た。
@夜
夜の公園駐車場。誰も来ないとみなさんは思うかもしれない。私もそう思っていた。だが、不思議なことに、夜の公園駐車場には、ひっきりなしに車がやって来る。私は夕方もしくは夜に公園に着くと、まず、公園駐車場に店を広げて飯を作る。飯を食べた後は、車の周りでPC作業をしたり、ギターを弾いたりしているのだが、その間、車がどんどんやって来るのだ。
いったい誰が夜の駐車場に来るのか?
カップル。これはよく理解できる。車の中でいちゃいちゃしに来たのであろう。ラブホテルに行く前なのか、それともラブホテルに行く金がないのか、まぁそんな野暮なことはどうでもいいが、夜、ひとけのないところにカップルの車がやって来るのは必定である。
しかし理解できないのは、男が一人で車を駆ってやって来て、駐車場に駐車し、エンジンをかけたまま、窓を閉め切った車内にずっといるのである。全国どこの公園でも、何人もこういう人たちが夜いる。何しに来ているのだろうか?
さすがに夜、彼らが何をしているかをのぞき込んだり、ライトを当てたりすることははばかられるので、遠くからそれとなくちらちらと観察するのみなのであるが、どうもディスプレイらしき明るいものが車の中に見えるので、推測ではあるが、彼らは車の中でスマホを見ていたり、ゲームをしていたり、テレビを見ていたりするのではないかと思われる。
こういう人たちが、夜の公園駐車場にはひっきりなしにやって来る。来て、しばらく車を停めて車の中で滞在し、帰っていく。私の姿を見て「残念、先客あり」とか「変な人がいる」と思うのだろう、駐車場に入って来てすぐに引き返して帰る人もいれば、私から離れた遠くの方に駐車し、1時間くらいいてから去る人もいる。遅い人は11時、12時くらいまでいる。
みんな自宅の部屋にいるのが嫌なのだろうか?気分転換?
まあ確かに、私もその昔、訳もなく車を走らせて夜の九十九里海岸に行ったりしていたなぁ。ナルシストではないが。
夜の公園の生態系。
A朝
私はいままで知らなかったが、公園の朝は早い。公園でテントを張って寝ると、夜はあまり人がいないから人目にはつかないのだが、問題は朝である。
公園というのは、私は無縁であったが、朝も早よから人々が集まる場所なのである。散歩、犬の散歩、ジョギング、ラジオ体操、など。年配の方々が多い。年配の方々は、夏ともなれば5時くらいから活動開始しているので、テント設営場所が散歩道に近いと、気配がテントに聞こえることになる。自宅の部屋で寝るのと違い、テント生活では、周りに気を使う潜在意識、もしくは「そもそもここでキャンプなどしていいのだろうか?」というそこはかとない罪悪感、危険を察知する防衛本能、などにより、眠りは自ずと浅いと思われる。外で人の気配がすると、すぐに目が覚めてしまう。
よって、テントを張る場所には注意しないといけない。近くに公園遊歩道がある場所は、朝方公園に来て散歩する人々の目についてしまう。
人々は、朝私のテントを確認するが、大体は見てみぬふりをする。二人以上で来ている人たちは、
「あっ、テントで泊まってるねぇ」などと会話していることもあるが、大体は、「触らぬ神に祟りなし」で基本無視する。
だが、こういう見慣れぬ状況に好奇心を持ち、私が起き出してテントから出た際に、話しかけてくる人がいる。私に話しかけてくる人は、ほとんどが年配のおじさんである。
「ここで泊まったのか?」
「はい」
「どこから来たの?」
「千葉です。いま全国を周ってるんです」
などという会話となる。で私は今までの旅のことを話したりする。
年配のおじさんは気さくな人が多い。
鳥羽では、私がテント泊した公園が、地域の皆さん(年配の人が多い)の朝のラジオ体操の会場となっており、私は体操場所のすぐ近くで野営していて、6時にはすでにNHKラジオが大音量で流れ始めたため、私はテントから起き出した。すると、ラジオ体操の取りまとめ役の自治会会長みたいなおじさんが、私に謝ってきた。
「悪いねぇ、うるさくて。いまはラジオ体操やってんだ」
「良かったら一緒に体操していったら?」
こちらも勝手に公園でテント泊している身なので、恐縮してしまった。いいおじさんだ。体操はしなかったけど。
ここでは別のおじさんも話しかけてきた。私が公園の写真を撮っていると、
「ここの写真をそんなに撮ったりして、うれしいわぁ。」とか、
「ここには昔はよく旅行してる人がテント張ってたけどなぁ。いまでもひと月に一度くらいはいるかな。こないだは自転車旅行してる若者が二人で泊まってたよ。」
とか親しげに話しかけてきた。
誰でも、自分の故郷を訪れる旅行者を見れば、うれしいものである。
私は人見知りな性格なので(笑)、この69日に渡る旅の間、あまり人とは話さなかった。ホテルや食堂、観光地などでの係の人との事務的な会話以外、日本を旅する限りにおいては、取りたてて会話する必要はないのである。
そんな中で、見知らぬ人と一番会話した場所は、野営した公園であったろう。結局、人々が私に興味を示す唯一の場所がこの野営中であり、好奇心旺盛な人々というのはいるもので、そういう人たちは、私のこの珍しい挙動に対し、話しかけずにはいられない衝動を感ずるのである。
以前も書いたが、日本や先進国と呼ばれる国で旅をしていても、人から話しかけられることはあまりない。みんな旅行者に興味を持っていないのである。
しかし、途上国と呼ばれる国に行くと、見知らぬ人からどんどん話しかけられる。まぁ基本、彼らは私に興味があるというのではなく、私の財布の中身に興味を持っているのだが、このような国では、黙っていても話さねばならない羽目になる。だがこの出会いがなんかハプニングとなったり、普通の旅行者が体験できない楽しい状況や苦しい状況に陥らせたりするのだ。これもまた一興。
■警察による職務質問
公園で夜中炊事をしたり、テントを張って泊まっていたりする人はあまりいないので、警察の不審者探しには格好のターゲットとなる。
69日間の旅の間、警察に職務質問されたのは、4度。寒河江(山形県)、境港(鳥取県)、平戸(長崎県)、鳥羽(三重県)である。
警察官は2名でパトカーでパトロールをしている。公園の駐車場は、前述した通り、悪人たちのたまり場になりやすいからだろう、警察の定常パトロール経路に入っているものと思われる。寒河江では警戒強化月間となっていたらしく、私に質問した警官がそう言っていた。
どの警察官も、全然高圧的・詰問調ではなく、ごくフレンドリーである。
「こんばんはー、警察です。ここで何してるんですか?」
「いま日本全国を旅しているんです。今日はここで泊まろうと思ってます」
ここまでで、たいていは、「あぁ、そうですか」と急に空気が丸くなる。つまり、何か悪さをしようとする地元の人間ではないことを確認して、警察官側としてもホッとするのであろう。私のような不審な行動をする旅人は時々いて、彼らはそういう旅人にしばしば遭遇して慣れているのかもしれない。
一応警察官は、私の身分証(=運転免許証)を確認する。曰く、「捜索願などが出されていないかを確認します」とのこと。免許証を持ってパトカーに戻り、何か確認している。
こういうプロセスを経て、私は無罪放免される。
「じゃぁ、気を付けて。」
寒河江の場合は、夜中11時頃、パトカーが公園の駐車場にやって来た。私はちょうど遅い夕食を作っていたところで、何の言い訳もできない状況であったが、彼らは気さくに話しかけてきた。
「ここで何してるんですか?」
「いま全国を旅していて、ここで今日は泊まろうと思ってます」
「そうなんですか!テント張るなら、この公園よりもいいところがありますよ」
などと親切に教えてくれたりする。
警察官は、私のこれまでの旅程を聞き、そして「危ないものを持っていないか?」を聞いてきた。刃物などである。
「危険物なんかは持ってないですよね?果物ナイフとか。」
私は包丁を持っていたが、「大丈夫です」と答えた(笑)。
小浜で会ったおじさんに教えてもらったのだが、明確な所持理由があれば、別にナイフだろうが包丁だろうが持っていていいはずであろう、とのこと。
例えば、釣りに行って釣れた魚をその場でさばくためにナイフや包丁を持っていく、というような場合である。
私とのやり取りが一通り終わった後、私だけを狙ったのではないことを示すように、もう1台駐車場に止まっていた別の車にも同じように質問していた。
境港では、夕方、同じく炊事をしているときに二人組の警官がやって来た。どちらも若い。20代後半〜30代か。
「ここで何してるんですか?」
全国行脚の旅の説明をする。
「あぁ、そうなんですか。いや、そこの道から見かけて、車のドア全開だったんで、『あれ、釣りじゃなさそうだな』って思ったんですよ」
さらに私のギターを見て話をつなげる。
「ギター弾きながらですか?」
「はい」
「いいですねぇ。私もギター弾くんですよ。ギターはどこのですか?」
「モーリスです。安物ですけど」
「モーリス、いいじゃないですか」
こうして場は和やかとなる。あげく、この若くて気さくな警察官は、こんなことを言いだした。
「境港は治安はいい街ですけど、もしここで何かトラブルあったら、すぐ近くに交番があるので来てください」
あぁ、警察って、私のような、勝手に公園泊している人間にも優しいのか、となかば感動してしまった。もちろん、市民の間にトラブルがあればそれを解決するのが警察の仕事ではあろうが。それとも、「治安のいい町」と言ってて実は治安が悪く、強盗事件などが多発しているのだろうか。
警察との遭遇の話は、訪れた場所を個別に振り返る際に詳細を紹介したい。
■テントを張る場所
テントを張る場所は十分に吟味する必要がある。特に6月以降、暑くなってきて、朝直射日光がテントに入らないことは致命的に必須である。
直射日光の当たる場所では、朝でもテント内の温度は軽く35℃に達する。そのまま寝ていては熱中症で死に至るであろう。
よって、夜、テントを張る場所は、「朝になって日が直接当たらない場所」であるべきである。
東もしくは南側に木や壁などがあることが望ましい。私の腕時計はカシオのプロトレックで、方位機能が付いているので、テントを立てる際は必ず方位を確認し、東南側に木々などがある場所に立てるように腐心した。
しかしそのような都合のよい場所がない公園もある。障害物が何もない広々とした公園がそれである。その場合はやむなく片隅に立てる。翌朝は晴れてないことを祈るが、晴れてる場合にはどれだけ眠くても暑くて眠れなくなるので、泣く泣く起きて活動を開始することになる。
■昨今の公園のトイレ事情
近頃の公園のトイレはきれいだ。管轄市町村の人手不足感の割には、トイレ清掃が比較的しっかりしている公園が多い。いや、清掃者というよりも、近年では汚く使う人が少ない、ということなのかもしれない。
何より驚くのは、トイレットペーペーがきちんと備えられているトイレがほとんどだということであろう。日本人のモラルの高さか、もしくはトイレットペーパーのごとき些末なものなど盗む必要がないほどにみんな裕福なのか。
電気代節約から、電灯はセンサー式で、人が入ると明かりが点くというトイレが圧倒的に多い。
(続く)
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