2017/2/26 (Sun.)
送別の昼飯 晴れ@パアン
日曜日。我々の訓練学校の建設を数多く手がけてきた建設コントラクターのウピョンジーが、私を昼食に招いてくれた。あと2週間で私はパアンを去るので、送別の宴を開いてくれたのである。
彼は今我々の訓練学校の実習用作業場を建てていて、基本土日もなく建設しているので、今日は貴重な休日らしい。
彼は最近新しい家を建てたばかりで、その家は私の住むスタッフ宿泊所から割と近いところにあった。
私とスタッフ3名、その友人1名でお邪魔する。
実は彼の前の家には一度行ったことがあり、その家は木造のミャンマーに多い高床式だったが、今回の家はレンガ造りで一部鉄筋コンクリートを使っており、しかも2階建て。前の家よりも相当にグレードアップしている。
「仕事、儲かってんのか?」
と私が聞くと、
「おぉ、そうだ」
と言う。建設の仕事はいまそこらじゅうにある。
ウピョンジーというのは、まぁいわゆる建設の親方にありがちな豪快系の人間で、いつもさばさばとして、一本気な男である。
彼は英語を話さないが、懸命に私にミャンマー語で話しかける。それと、なぜか「ハイ」という日本語を知っている。どこかから「日本語-ミャンマー語ポケット辞典」を持ってきて、
「これで日本語を勉強しているんだ」
と言う。勉強しているとは思えないが。
テレビはあるが画面は小さい。一方、その横にデカいスピーカーがあり、ウピョンジーはカラオケを流し始める。ミャンマーの水祭りの時に盛んに流れる伝統歌だ。日本で言えば、盆踊りの「何とか音頭」みたいなものだろうか。
「歌うか?」
ウピョンジーが私に聞く。
「日本語の曲ないの?」
「ない」
さすがにミャンマー語の歌は歌えん。
昼からビールを飲み、いい気分になる。いくつかの種類の肉と魚が並べられ、つまみとなる。
ちなみにパアンではミャンマーで随一の人気ビール、ミャンマービールの他に、タイのChangビールが多い。特に缶ビールは、Changの独壇場的なところがある。以前も書いたが、タイに近いので、タイの安価な生活雑貨、食料品が市場を席巻している。タイ製品なしにはパアンの人々の生活は成り立たないと思わせる。
私はビールを飲むと全く飯が食えなくなるのだが、ミャンマー人は、まず酒を飲む。ビールなどは水のように飲む。そしてたらふく飲んだ後に、おもむろに飯を食い始める。これも以前書いたが、酒を飲むのは男で、女性は酒を飲まない人が多い。
この宴でも、まずウピョンジーは盛んにビールを勧める。1時間くらい飲んで歓談していると、忘れた頃に、
「じゃぁそろそろご飯にしましょうか?」
ということになる。いや、もう腹一杯だって。
ご飯にスープ、そして各種肉のメインディッシュと野菜炒めなどの副菜が所狭しとちゃぶ台の上に並ぶ。(ちなみに、ミャンマーではちゃぶ台は割と普通である)
だから、食えないって。
しかし何とかご飯と鶏肉、野菜を腹に詰め込む。
楽しい昼食宴は終了。記念撮影をしてウピョンジーの家を辞す。
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2017/2/23 (Thu.)
喧嘩の仲直り 晴れ@パアン

仲直りの肩組み歩き |

やけくその笑顔? |
我々の技術訓練学校で、2名の訓練生が喧嘩した。
喧嘩の原因は、まs他愛のない、若者らしいちょっとした冗談や嫌味が積もって、お互いの憎しみが増していき、ついには鉄拳制裁を加えてやろうと発展した、というようなもの。
「学校運営委員会」というのがあって、学校責任者である私と主要スタッフ、それにカウンターパートの人間で構成しているのだが、こういう問題が起こると、集まって問題を起こした訓練生と面談する。
二人とも自分の都合のいいような弁解ばかりを主張。どっちが先にからかったのか、ちょっかいを出したのか、全く言うことが食い違う。
そこでこの喧嘩を目撃していた2名の訓練生を呼び、客観的な事実を語らせる。
まあ結局分かったことは、日頃からお互いを快く思ってなかった二人が、お互いにバカにする言葉、または嫌がらせのちょっかいによって喧嘩に発展した、ということである。
ただ一つ重大な事項としては、一人が金属製のシャフトでもう一人の頭を殴った、ということである。
これは下手したら大事故につながりかねない。どのくらいの本気度があったのかは不明だが、緩く手加減したとしても凶器を使うのは許容できない。
この点を私は強調した。
「お前、当たり所悪かったら、下手すると死ぬぞ?そういうこと考えたんか?」
この二人には警告を与える。次やったら退学だ。
面談の最後、私が二人に促す。
「おい、仲直りの握手せいや。」
二人は渋々握手をする。
すると、同席していた宿直担当のポネイが、面白いことを提案した。
「仲直りのしるしに、二人で肩組んで、構内を一周して来い」
二人はもう抵抗もできないと思ったのか、それともやけくそか、笑顔で肩を組んで歩き始めた。後ろからポネイが付いていく。日頃いがみ合っていたもの同士が、肩を組んで合計300m位の構内道路を一周してきた。
面白い。これってミャンマーでの喧嘩仲直りの定番スタイルなのだろうか?
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2017/2/22 (Wed.)
ヤモリ 謎の死 晴れ@パアン
私が普段仕事をする部屋には、壁にエアコンが付いている。このエアコンは初めの1年間はついていなかったのだが、さすがに暑期には室内の温度が35℃以上となるので、2年目の予算でエアコンを入れようということになったのである。ただし、暑期以外は全く稼働していない。この部屋には主に私一人しかいないので、クーラーに慣れるのは良くない、外気に慣れてこそ駐在員である、との信念から(笑)、他の時期は私はほとんどエアコンを付けない。
一方、隣の部屋ではミャンマー人スタッフが5、6人で仕事をしているのだが、彼らはエアコンが導入されて以来、常に毎日エアコンをつけている。ちょっと肌寒いような乾季でも、バカの一つ覚えのようにエアコンをかける。せっかくエアコンがあるのだから、使わなきゃ損、という考えだろうか。ミャンマー人だから、決して暑さには弱くないはずだし、ちょっと涼しければ、エアコンなど要らないくらいの耐候感覚を持っていると思うのだが不思議だ。
さて話を本題に戻すと、エアコンは、私の机から見ると4mほど離れた向かいの壁の上部にある。エアコンの室内機と室外機を接続する箱型の白い配管が、エアコンの横の壁の上を這って設置されている。
自席で仕事をしていてふと気づくと、この配管上に、茶色の紐みたいなものが下がっている。いままでになかったものである。だけど、それほど気にせずに仕事を続ける。
だが、何度もそれを目にするたびに、その度に「何かおかしいぞ」という思いが強くなってくる。
こうなるといてもたっても居られなくなり、壁に近寄って、その茶色の紐のようなものが何であるかを確認しに行った。
驚愕。それは、紐でもゴミでもなく、ヤモリであった。
私はギョッとしてよくこのヤモリを凝視する。動かない。そう、朝からずっとその紐は動いていないので、まさか生き物だとは思わない。
ヤモリの死体であった。後ろ足の2本で配管に張り付いて、前足と体上部は宙に浮いている。目を見ると、真っ黒になっており、輝きがない。尻尾は重力により垂れている。
死んでんのかよ!!
どうやったらこういう格好で絶命できるのだろうか。いや、どういう経緯でこのような最期を遂げることになったのだろうか。
捕食者に襲われたのか。鳥が室内に入って来たのか?いやその割には鳥はヤモリを食べなかったことになる。
餓死か。病死か。よりによってこんな垂直の壁上で。
薄れゆく意識の中で、ヤモリは何を思っていたのだろう。いや、ヤモリには「意識」というものは存在しないか。
それにしても、改めてヤモリの足の吸着力に感嘆する。死してなお壁にくっついていられるのだ。死後硬直で吸着力は変わらないのだろうか。
全く生物の神秘は計り知れない。
興奮して同僚のピピさんに知らせる。彼女も驚いた風だったが、すぐにほうきとちり取りを持ってきて、死んだヤモリを払い落して処分した。
クール。
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