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エクアドル日記(2004年2月)
カルナバル狂想曲(1) 〜マチャラ、ペルー国境へ〜
2月22日(日) 晴れ後曇り時々雨
朝6時半に起き、7時半にバス
でテルミナル(バスターミナル)へ。8時発のマチャラ行きのバスに乗り込んだ。バス代は4ドル50セント(約500円)。マチャラへの道のりの間、景色が刻々と変わっていく。標高2500mのクエンカから、標高0の海沿いの街・マチャラへ。途中緑の山並みの間を縫うようにバスは走る。すると突然景色が荒涼とした茶色に変わる。木々が全くなくなり、山々は砂色になるのだ。なぜかは分からない。そしてマチャラに近づくと再び緑のうっそうとした熱帯的な植物が生い茂る風景に。さらに、見渡す限りのバナナ畑が広がってくると、しばらくしてマチャラに到着。所要時間は3時間45分。暑い。軽く30℃を超えている。わずか4時間弱で、熱帯気候のコスタにやって来たのだ。特に湿気がひどい。
バスを降り、ペルーとの国境の街ウアキージャス(Huaquillas)行きのバスが出るバスターミナルへ。クエンカからのバスが到着したターミナルから歩いて10分くらい。そこでもすぐにウアキージャス行きのバスは出発した。途中サンタ・ロサを通り過ぎ、国境近くなると検問所を経て(ここでは全員がバスを降りてIDを提示しなければならない)、2時間弱でウアキージャスに到着。昼食後、ペルーとの国境へ向かって歩く。メルカード(市場)の先にある国境は、ただのドブ川だった。ドブ川にかかる橋の周辺には、たくさんの露店が出て人々でにぎわっている。「ようこそペルーへ」という巨大な看板がある。そこに国境事務所らしきものはあるにはあるが、誰もパスポートの提示などしていない。そう、みんな平気で普通の道を歩くように国境を行き来しているのだ!こんな国境は初めてだ。こんなんでいいの?
国境付近では、道の両側に果物や衣類やCD等を売る露店がびっしりと並んでいる。そこでは俺に日本語で話しかけてくる奴、「日本語で自分の名前を書いてくれ」って言ってくる奴らにさかんに声をかけられる(奴らが紙にスペイン語で自分の名前を書くから、俺はそれをカタカナにしてその下に書いてやった)。
小さな女の子が俺に水鉄砲で水をかける。俺が「やめてくれー」って逃げると、
近くにいたおじさんが少し申し訳なさそうに言う。
「カルナバルだからね。」
「そうだね。」
彼がカルナバルだからどうか許してやってくれ、という表情をしていたので、俺は「気にしてないよ」みたいな表情で返した。コスタのように暑いと、多少水をかけられるのも気持ちいいくらいに感じられる。
人々は楽しそうに水を掛け合っている。誰も怒り出す奴はいない。子供達はほとんどが全身びしょぬれだ。
(コスタでは水浴びの代わりか。)

再びバスに乗ってマチャラに戻った。マチャラに着いたのは5時過ぎ。ここでも人々は大量の水を掛け合っている。俺もまたいい年こいた黒人のおばさんにバケツで水をかけられた。嫌な予感はしたんだけどね。おばさんは通りに面した店で椅子に座ってたんだけど、俺がその前を通り過ぎる時に、いたずらっぽく笑ってんのよ、俺を見て。通り過ぎた後に後ろからやられたよ。もうこの頃には俺は怒る気は全く失せていて、逆にカルナバルの狂乱状態を楽しむ気分になっていた。
夜、ジュースを飲むつもりで入った店にジュースがなく、しょうがないからビールを頼んで一人で飲む。店の主人が、サービスでポテトフライを持ってきてくれた。すると、新たにやって来たオヤジが俺に声をかけてきた。この店のなじみ客らしい。で奴は俺のテーブルに座り、いつものごとく話が始まった。話を聞くと、このオヤジは44歳、チリ人、牧師とのことで、エクアドルには休暇でやって来たらしい。しばらく話をしたけど、やっぱり宗教家とは話が合わなくて困るねー。

スイカ
(ウアキージャスのメルカドで) |
宗教談義になるといつも俺は「俺には信仰はない」とか「俺は神など信じていない」って言うんだけど、それがカトリックの人間や、ましてや牧師なんかにとっては到底理解できないんだよね。
「君はどうしてこの世で生きていられると思ってるんだ?」
てな感じでさ。
さらにチリ人の牧師は俺を諭すように、「酒やタバコは良くない。」とか言い始めてさ、俺がタバコスパスパ吸いながらビール飲んでるからさ。
「こいつらは、人生を楽しむためのささやかなアイテムさ。」
って俺は言ったんだけど、この考え方が牧師には通用しないんだよね。
「タバコは身体に悪い、酒は依存症がある、それにそんなことに金を使うのは浪費だ、もっとマシなことに金使え。」
とか言われるとさ、もう話する気もなくなっちゃうよ。それじゃなくても彼は難しいスペイン語を使うので、言ってることを理解するだけでも大変だってのに。
で別の話題にしようとしてチリって国は豊かな国だよな、とかちょっとヨイショすると、「南米では一番裕福な国だ。」って自慢するから、「ブラジルが一番だろ?」って茶々を入れると、「いやチリだ」って言い張る(注)。「ブラジルには金持ちもいれば極貧もいるって意味だよな?」ってことでまぁ結論を見たんだけど、『医者とか弁護士とか、職業によっては金持ちは金持ちだよね〜』って話から今度は奴の給料の話になってさ。奴は1日2時間しか働かないのに月900ドル稼いでる、とか言い出してさ。「自分が高給取りなことを自慢する牧師がいるかよ?」って突っ込みたくなったけどやめといた。
でそうこうしてるうちにビールもなくなったので、
「じゃぁ、俺はこれで。楽しい会話だったよ。」
って席を立った。宗教家と話すんのはホントつらいねー。
店の主人に聞いた、近くの安ホテルにチェックインした。部屋にトイレ・シャワーつきで1泊6ドル。もちろん、シャワーは水しか出なかったけど、この暑さならお湯が出なくてもいいのかもしれない。その夜は、暑いのと蚊の攻撃によって、夜半まで眠れなかった。クエンカでは、熱帯夜は言うに及ばず、蚊に悩まされたことすらない。天井に付いてたサンヨーの扇風機を回し、持ってきた虫除けスプレーを塗りたくって、さらに部屋に大量に散布してやっと寝れた。
(次の日へ続く)
(注)南米でGDPが最大の国はブラジル。2位がチリ。ブラジルには青年海外協力隊員はいない。チリにはいるが(私の同期も5人いる)、チリに果たして協力隊が必要なのか、という議論があるほどチリは豊かな国のようである。
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