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エクアドル日記(2004年4月)
4月19日(月)
先週末の金曜、新たにインターネットカード(※注1)を買った。で週末ネットにつなごうとしたんだけど、何回やってもエラーが出てつながらない。よくよくカードを見ると、今までのプラスチック製のカードと違って紙製。しかもIDとパスワードの書いてあるところを透明テープみたいなので新たに貼り付けた感じで、いかにも偽造カードという趣き。その昔上野駅周辺にいた、イラン人の偽造テレホンカードを思い出した。今までに4枚のカードを買ったが、ネットにつなげなかったことはない。このインチキカードで初めて経験する事態だ。
(偽造カードだからつなげないわけか・・・。さては闇の偽造カード密造グループの仕業だな・・・。エクアドルなら十分考えられるぞ。)
というわけで今日学校後、あわよくばカードを換えてもらうつもりで、購入したエタパのオフィスに相談しに行った。「エタパ」は、クエンカ最大の電話会社で、日本で言えばNTTみたいな会社。そこではオバちゃんが、
「その件なら、別のオフィスに行ってください。」
と言うので、そこから5分くらい歩いたところにある別のエタパの営業所に行った。
そこは電話料金の支払い窓口や、お客様相談窓口などがあるかなり大きな営業所だった。インフォメーションで用件を告げると、窓口に行くよう促された。その窓口のオバちゃんに状況を説明すると、次の答え。
「その件については、ここの電話番号に電話して相談してください。」
でメモ紙に電話番号を書いて俺に渡した。
(おいおい、タライ回しかよ・・・・。)
と内心呆れつつも、
「分かった。」
と言ってそのメモ紙を受け取り、早速携帯で電話した。
電話に出たネーちゃんに用件を告げると、こっちが満足にスペイン語を話せないことが全く分からないらしく、早口で畳み掛けてきた。
「はぁ?マンデ?(何て?)」
何回か聞きなおしてるにもかかわらず、彼女は一向にゆっくり話そうとする気配がない。きっとこっちのことを、不当なイチャモンをつける不良だとでも思ってるんだろう。「カードが使えないから換えてほしい」とか俺が言ったもんだからさ。
外国で電話で話すのって、本当にイヤなんだよね。フェイス・トゥ・フェイスだと、すぐに相手はこっちがしゃべれないことを分かってくれてゆっくり話してくれるんだけど、電話だと相手の顔が見えないから、相手は普段の調子で来るわけよ。アメリカいた時も初めはすごく苦労したよ。
で結局、その電話先である「インターネット関係お客様窓口」に来い、とのこと。場所を聞くと、ここから歩いて10分くらいのところ。
「じゃぁ今から行くから。」
と言って電話を切る。そして指示された場所に行ったがエタパが見つからない。デカイ建物だと言ってたのだが、それらしい建物がない。でたまたまエタパの電話ブース(※注2)があったので、そこの受付の若いニーちゃんに聞いてみたところ、この辺りにエタパのオフィスはない、と言う。学生アルバイト風情のそのニーちゃんが教えてくれたのは、そこからさらに10分くらい歩いたところにある、エタパの別のオフィスだった。そこもデカイ営業所で、インフォメーションで相談すると、やっぱり「インターネット関係お客様窓口」に行ってください、とのこと。で場所を聞くと、電話のネーちゃんが言ってた場所。ちゃんと聞いてみると、「ピチンチャ銀行の近くの、デカイ建物の2階」だという。でしょうがないからもう一度戻って探したがやっぱりそれらしい建物がない。もう一度さっきのニーちゃんに聞いたが、隣の駄菓子屋のオバちゃんに聞け、って。でそのオバちゃんに聞いてみたが、「知らない」という答え。
(ちゃんと地図書いてもらえばよかったな・・・。)
と半ば諦めかけて入った花屋。そこのオバちゃんは、知ってました。その建物は、ピチンチャ銀行の巨大な建物に隠れて、通りから見えなかったのだ。
やっとたどり着いた「インターネット関係お客様窓口」。もうかれこれ1時間半くらい歩き回って、時間は6時。そこのオフィスも、店じまいをしつつあるところだった。
「いやぁ、探しましたよここのオフィス、分かりにくいところにあるから。」
と言って、インチキカードを渡してネットにつながらないことを告げると、応対してくれた2人のニーちゃんは、こういった苦情に慣れているらしく、カードをじっと見た後、すぐに回答を出した。
「パスワードのこの文字は、『9』じゃなくて『g』です。」
でパソコン画面を見て、このカードがちゃんと使えることをあっという間に調べあげた。
何たることか。そう、確かに俺は、パスワードの一つの文字を、「9」だと思い込んでいた。何のことはない、それが小文字の「g」だったのである。恥ずかしいくらいの初歩的な間違い。それじゃあつながるわけがない。「大掛かりな密造組織によるインチキ偽造カード」どころか、立派に使えるマトモな「紙製」カードだったのだ。
というわけで、途方もない徒労に終わったこの日の行軍だったが、まぁ、オチ的には良かったでしょ?
外国に住んでると、社会の一員として社会と関わろうとするこういった行動(例えば『公共料金を払う』とか『銀行口座を開く』とか『何かを電話で予約する』とか)一つ取っても、言葉の問題を始めとして、どこに連絡したらいいのかとか、こっちのシステムがよく分からないので色々と困難を伴う。だけど、こういうことがあると、たとえそれがトラブルであっても、やり終わって問題が解決した後は何か達成感がある。言い換えると、エクアドル社会と関わり合いになることで、「社会の一員として俺はエクアドルに住んでいる」っていう実感が得られる、って言うか。もっとも、このことを通じて少し社会のシステムが分かったくらいであって、実際には俺の語学力は上がってないし、周りの人間が俺を見る目が変わるわけでもない。だけど、自分の中では自己満足の自信が得られる。この「自己満足」の積み重ねは、外国に住む上で重要だ。一外人としてでもいいから、社会になるべく深く入り込んでいかないと、その国のことは全然分からないからね。
(※注1)インターネットカードとは、プリペイドのインターネット接続用カード。これを買うと、裏面にIDとパスワードと電話番号が書いてあって、ダイアルアップ接続でインターネットに接続できる。値段は、6時間で4ドル50(約500円)。
(※注2)エタパの電話ブースとは、国際電話や国内電話をかけるブースが室内にいくつかある、エタパの電話サービス所。ここではファックスを出したり、インターネットカードを買ったりできる。クエンカにいくつかある。
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