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エクアドル日記(2005年4月)
4月21日(木) 曇り時々晴れ一時大雨

衝撃の大統領解任劇から一夜明け、早速今日俺が勤める職業訓練校SECAPでは、全職員が集まって緊急会議が開かれた。議題はもちろん、校長の辞任要求についてである。どうやら圧倒多数で辞任を迫ることに決まったようである。彼らは、職員の署名を人事院に提出して校長の辞任を要求するつもりである。普通の会社で言えば労働組合による社長の辞任要求みたいなもんであろう。彼らが、現校長が図書館担当のオバちゃんからいきなり校長に昇格したことに、穏やかならぬ感情を持っていたことは想像に難くない。今まで自分達と同列またはそれ以下の立場だった一介の図書館のオバちゃんが、いきなり自分達を飛び越してこの学校で一番エライ人になったのである。それまで気さくに話していたのが、校長になったとたんに急にその地位にふさわしくするかのように鷹揚な、高慢な態度に急転換するのを全員が実感しているのである(もちろん俺も)。大統領の後ろ盾がなくなった彼女などもう誰も怖くない、というかのように緊急会議では強い言葉が飛び交った。特に、彼女のせいで校長の座から突然転落した博士号を持つ前校長は、ここぞとばかりに声高だった。何という急展開であろうか。攻守ところを変えるとはこのことである。今まで彼女の下で何も言えずにいた人々が、突然生き返ったかのようである。本当に面白い社会だ。

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一方の校長オバちゃんは、昨日(または一昨日)キトに行ったきり今日も学校を休んでいる。これからの自分の境遇を考えると、いてもたってもいられない気分だろうが、これも自業自得である。大統領が倒れたとたんにこうなることは容易に想像できたはずである。何しろこの国では1996年以降9年ほどで5人も大統領が変わっていて、その誰一人として大統領任期である4年を全うしていない。いずれもが汚職発覚や失政で辞任を余儀なくされている(国会が大統領を解任するパターンがほとんど)。これを見ていると、政治のシステムというか法律を変えないと、誰が大統領になっても同じことを繰り返すだけ、という気がする。

国立職業訓練校SECAPの本部は首都キトにあり、今までその上層幹部はすべて前大統領ルシオ・グティエレスの息のかかった者で固められていた。彼らが総崩れで辞職を余儀なくされるのは必至と見られる。
俺達は粛々と仕事を続けるだけであるが、校長オバちゃんとこの学校が今後どうなるのか、物語としては非常に面白い。


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