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エクアドル日記(2005年6月)
6月4日(土) 

エクアドル対アルゼンチン

今日は、ホーム・キトにてサッカーW杯予選アルゼンチン戦。昨年11月のブラジル戦と同じような盛り上がりよう。キトの街には黄色いエクアドル代表のユニフォームを来た人々が闊歩している。

キトのセントロ

サッカー先進地・南米といっても、結局現在はブラジルとアルゼンチンだけが突出していて、他のチームはトングリの背比べである。よってブラジル戦とアルゼンチン戦の盛り上がり方は半端じゃない。しかもエクアドルはその2チームに次いで現在南米予選3位。この試合も含め残り5試合で4位以内に入ればドイツへGo、である。ちなみに南米5位はオセアニア1位とプレーオフを行い、勝てば出場できる。

協力隊員の中にもこの試合を見に行った者が何人もいたようである。チケットは2週間前に売り切れたらしいが、ダフ屋が出ていて、一般席20ドル(2000円)とのこと。

午後4時試合開始。現在首位のアルゼンチンは、来週水曜にすぐあるブラジル戦を見据え、ベストメンバーではない。
前半は一進一退の展開で0−0。後半早々、カウンターからエクアドルが1点を先制。その後も運動量の落ちたアルゼンチンに対しエクアドルが押し気味に試合を進め、後半ロスタイムに2点目をあげて2−0の完勝。TVほとんど全局で中継したのだが、ゴール時のアナウンサーの絶叫振りは例によって例のごとく、壊れた拡声器のようである。これで3位を維持し、残り4試合。ドイツが見えてきたと言えるだろう。

エクアドルは、とにかくホームでは強い。今予選は、ホーム・キトで7勝0敗1分け、アウェイで0勝5敗1分けである。一般的にホームでは各国とも勝率がいいわけだが、エクアドルの場合ホームとアウェイの戦績が露骨に偏っている。早い話ホームでしか勝てない内弁慶である。
これはもっともなことである。ここエクアドルで戦う各国は、アンデス諸国を除けば、キトの標高の前に敗れ去るのである。今回も例によってアルゼンチン代表チームは直前のキト入り。新聞によれば、昨晩グアヤキル(標高0)に到着し、試合開始3時間前の今日午後1時に標高2880mのキトへ入ったとのことである。これでは90分間の代表レベルのサッカーの試合などしろって方が無理である。
普段低地で生活している人が、急に3000m近くの標高に上がったらどうなるか。かなりの確率で、高山病の症状を発症する。これは、低気圧・低酸素に身体が順応できずに起こる一連の症状で、頭痛、倦怠感、吐き気等が主なものである。我々が一昨年12月に初めてキトにやって来た時も、キトに入って1〜2日は、12人の同期隊員中ほとんどがだるさや頭痛を感じた。その後は身体が慣れ、症状はなくなっていくのが普通である。ただし、症状が重篤の場合は、一刻も早く低地に戻らねばならない。そして、高山病の状態で激しい運動をするというのは自殺行為である。

普段ブエノスアイレスやヨーロッパの低地に住んでいるアルゼンチン代表選手についても、いかに屈強なアスリートであるとは言え、試合3時間前にいきなり低酸素のキトに来てサッカーの試合を90分間やれ、っていうのはあまりにも過酷というか、カワイそうというか、正気の沙汰じゃない。同期隊員の話だと、高山病緩和の薬は、ドーピングにひっかかるため飲めないのだという。以前にも書いたが、エクアドルの卑怯な、手段を選ばない悪徳戦略が完璧なまでに機能しているわけだ。だがもちろん、前回2002日韓W杯に初出場して以来、エクアドルチームが向上していることも間違いない。何しろ以前はキトでもブラジルやアルゼンチンにはほとんど勝てていないのだ。それが今回は、ブラジルに勝ち、アルゼンチンにも勝ったわけである。

キト旧市街の街並み、坂と山

先日行われたコパ・リベルタドーレス(中南米クラブチームNo1を決める大会)のリーガ・デ・キト(エクアドル)対リバープレイト(アルゼンチン)戦も、リーガ・デ・キトはキトでのホーム戦には勝ったが、ブエノスアイレスでのアウェイに敗れ、準々決勝進出はならなかった。リバープレイトのホームページには、キトで負けた憂さを晴らすかのようにこう書かれていたそうである。
「やっぱりあいつら(エクアドル)は高地でしか勝てない。」

それにしても、他国チームは、どっかの高地で事前に身体を慣らしておくという準備を出来ないのだろうか、といつも思うのであるが。

エクアドルがもしドイツに出れたとしても、ドイツ各地の標高はそれほど高くないから、エクアドルは苦戦するだろう。ドイツには「キト・マジック」はない。ただ、普段高地に住んでるってことはいつも高地トレーニングしてるってことであって、山を降りたら高濃度の酸素中でマラソン選手ばりのスゴイ運動量になって、低地でももっと強くてもよさそうなもんだけど。やっぱり真の実力がないってことだ。
エクアドルがもっと金持ちなら、エクアドルでW杯を開催して、競技場を高地に限定して地の利を生かし、結構いけるはずだ。あっでも、各チームは長期滞在して高地に慣れちゃうからやっぱりダメか。


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