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エクアドル日記(2005年11月)
11月15日(火)
SECAPの保健室で、いつものように授業で使うマニュアルのコピーをしていた。そこへ、一人の自動車整備士風情のつなぎを着た男がやってきた。彼は見たところ20代後半、物腰からすると人の良さそうな男である。手には”TOYOTA”と書かれた何か証明書のような紙を持っている。
「これをコピーお願いします。」
彼は元図書館のオバちゃん − いや、元校長でもある −にそう告げてコピーを依頼した(注)。ここのコピー機は、SECAPのガキや外部の人たちも有料で使えるのだ。
SECAP近くのバス停から望む風景
2枚コピーが終わり、オバちゃんはコピーを渡しながら料金を請求する。
「8センターボ(約9円)よ。」
すると彼は困惑した顔をして、
「あっ、今財布を持ってないんで、すぐ車に行って取って来ます。すぐそこに停めてありますから。」
と言って出て行った。僕はそのやり取りをそばの椅子に座りながら見ていたのだけど、コピーが終わったのを見て再び自分のコピーを再開した。この日は大量にコピーしなければならず、15分かかってもまだ終わらなかった。
と。
「すぐ戻ってくる。」
と言って出て行ったつなぎの男は、いつまで経っても戻って来なかった。
これがエクアドルですか。
全うに仕事をしていそうな普通の男が、8センターボとはいえ、簡単に金を踏み倒す。オバちゃんは大して怒りもせず、やれやれと言った様子で僕に向ってつぶやいた。
「また盗まれたわね。」
日常茶飯事ですか、ひょっとして。
(注)元校長のオバちゃんは、実は看護師であり、図書館の前はこの保健室で仕事をしていた。校長の職を追われて以来彼女は、保健室に引きこもって毎日ほとんど何もせずに誰とも会わずに過ごし、それでいて給料は普通にもらっている。「奴にもっと仕事をさせろ!」という各職員の不満が募ったらしく、最近保健室の入り口部分にコピー機が2台移動され、元校長の彼女は、図書館にいた頃のように再びコピー担当となった次第である。
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