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中東弾丸旅行2009−2010
(2)4000年の歴史・ダマスカス(2)
アル・ラビホテルの朝食
ダマスカスの子供たち。カメラを向けるとみんな笑顔になる。
ダマスカス市街
ダマスカスの人たちは、本当に写真に撮られるのが好き
ダマスカス旧市街
ダマスカス旧市街
金物屋
ローマ門
中東はやはり水タバコ
ダマスカス市街
12月28日月曜日。昨晩はPM9時ごろに寝て、ヒーターのおかげで寒さを感じることなく快眠。朝7:30に目が覚める。悪くない。悪くない目覚めだ。最近は旅行時でも朝が辛いことがよくあるが、今日は10時間くらいよく寝たとはいえ、なかなかすっきりとした朝だ。
このホテルは朝食付き。ちょっと固めのアラブパン、ゆで卵、オリーブ、オレンジ、チーズ、シャイの朝食。悪くない。
外に出て昨日と同じく迷路のような旧市街を歩き回る。スーク・ミドハド・パシャを行く。ずっと真っ直ぐな道。その名も、「真っ直ぐな道」(Straight Road)。
少しわき道に入ると、中庭がある。これがこの街の構成の特徴。朝まだ人があまり出ていないせいもあるが、中庭はメインロードのざわめきから取り残されたように静寂。
メイン道路から一本路地を入ると、もうそこは迷路。細い道の両側に古い茶色の壁が経てきた年月をさらけ出している。時々店があり、茶色の建物の単調な色合いを一変させる。突然鮮やかな原色や、別の人工色を放つ。中東の旧市街の建物群の単調な色使い、例えばマラケシュであればオレンジっぽい茶色、ここダマスカスでは薄い茶色、その単調な中に、突如絢爛に現れる布地や絨毯の色とりどりの原色、もしくは金銀の金物屋、色鮮やかな果物など、これらの風景と言うか、対照的な色の光景、競演が、中東の旧市街の一番強い印象となる。これはどこの国でも割と同じだ。
中東の旧市街は、独特のイメージがある。
僕が慣れ親しんだ中南米の旧市街とどことなく似ているが、人や店で売っているもの、建物のデザインなど細部が異なっている。それは細部ではなくて結局は全体になるわけだが。
旧市街が造られたのが中世〜近世、15世紀〜18世紀くらいとすると、キリスト教世界とイスラム教世界の間に建築技術力とかデザイン性にそれほど大きな違いがなかったのかもしれない。
もちろん、イエメンのサナアのように超独特な街もいろいろあるのだろうが。
中東と中南米の旧市街における大きな違いは、中東の旧市街の方が道が細く、路地が迷路のような造りになっていることが多い、ということだ。
もう一つは、中東の旧市街は、街全体が要塞であり、城壁に囲まれていることが多い、ということだろう。
旧市街の家々のドアには、手の形をしたノックなのか、ドアノブなのかがついている。
おもしろい。
ダマスカス旧市街のドアについた手 ⇔ 全体
再び「真っ直ぐな道」に戻り、これを真っ直ぐ行くと、ローマ門に着き、さらに行くとキリスト教会がある。アラブというとイスラム教のイメージが強いが、トルコ、アラビア半島、アフリカ大陸に挟まれたこの地域は、いわゆる『文明の十字路』であり、歴史上様々な人種が通り過ぎ、支配してきた。ヨーロッパキリスト世界と中東イスラム、そしてアジア圏の接点なのである。
冬の穏やかな陽光のなか、キリスト教地区は、静かだ。
キリスト教地区を抜けると、車の激しい往来の大通りに出る。
ヒジャーズ駅。オスマントルコ時代の駅舎は、新市街の中では特に古い建物だ。
ダマスカス唯一の心残りは、国立博物館に行けなかったこと。残念だが弾丸なので時間切れ。仕方ない。
宿で荷物を取り、これからパルミラのある街、タドモールへ向かう。大通りを向こう側に渡って、セルビスでガラージュ・ハラスター行きのセルビスを探すが、どれだか分からない。セルビスが目の前で停まるたびに運転手に、ハラスターに行くか聞くが、もっと後ろで待て、とのこと。場所を変えてもっと後ろ側で待つが、やはり運転手はNo、と答えるばかり。近くにいたセルビスを待っていた強面のオヤジに聞いてみる。
「ガラージュ・ハラスターに行くセルビスは、ここで待てばいいですか?」
「俺も同じ方向だから、教えてやる」
オヤジは、次々とやって来て乗客を入れ替えて走り去るセルビスを、一つ一つにらみつける。後ろの方で停まったセルビスの行き先を素早く判別し、僕に合図をする、
「あれだ、行くぞ」
しかし、待っている人が多く、みんな我先にと乗り込むので、シートはすぐに満席になってしまう。3台ほど満員で乗れずに見送り、4台目は、一人分だけ席が残っていた。彼は、僕を乗せて、自分は乗らずに後に残った。何という思いやりだろうか。まるで、「俺に構うな、先に行け!」的自分の身を犠牲にして仲間を生き延びさせる、戦場的献身精神ではないか。
「シュクラン!(ありがとう)」
僕は大声で礼を言ってセルビスに乗り込む。セルビスは、僕が乗ったと同時に、オヤジを置き去りにして走り始める。
ガラージュ・ハラスターはセルビスで20分くらいかかると聞いていたが、すぐにそれらしきところに着く。
「ハラスター?」
と聞くと、そうだ、と乗客は口々に言って、僕以外はみんなここで降りた。運転手は、僕にこれからどこにいくのか聞いてきたので、パルミラだと答えると、それならここじゃない、といって僕だけを乗せて再び車をスタートさせた。
10分ほど走ると、ガラージュ・ブルマンに到着。こちらはハラスターというよりブルマンという名前で人々には認識されているようだ。
彼は、英語が話せないのだが、何か単語を連呼している。ようやく彼が、バス会社の名前を叫んでいるのだと分かった、つまり、このバスで行けば、パルミラにいける、ということを僕に言っているのだ。
僕は礼を言ってセルビスを降りると、運転手の友達だろうか、ワラワラと2人の男が寄ってきて、運転手と話をしている。どうやら、この男どもが僕をチケット売り場まで連れて行ってくれるらしい。
(あぁ、チップ払わなくちゃならねぇのは嫌だな・・・)
などと考えつつ、僕の荷物を持とうとする男を制し、自力で探そうとするが、奴らはお構いなしにこっちだと僕を先導する。仕方ない。
バス会社のチケット売り場で、PM4時発のバスチケットを購入。ここの人たちもあまり英語を話さない。
チップ50SPを要求する男に対し、始め25SPを渡したら、ずっとつきまとわられてもっとよこせ、と言うので仕方なく10SPコインを追加でやった。クソオヤジめ。
30分ほど待って、PM4時定刻にバスは出発。シリア北東部の砂漠の街・デリゾール行き。メルセデスの立派な大型バスなのに乗客は15人くらいしか乗っていない。外国人観光客と思われるのは、僕と、白人のカップルだけ。
ダマスカス 写真集
バスがダマスカス市街を抜けると、風景はすぐに荒涼化する。
砂漠のような風景がずっと続く。シリアには廃墟となった建物がやたらと多い。古く誰も使わなくなったコンクリート建築がいたるところにある。一度使われなくなったら、再開発なんて金はないのだろう。「現代の遺跡」とでも言いたくなる。
陽が落ちると、道には街灯がないので真っ暗。車のライトのみが辺りを照らし出す。
バスは3時間ちょっとで、午後7時過ぎ、タドモールに到着。ここで降り、タドモール市内へ行くにあたってタクシーの運ちゃん達とのひと悶着。100SPと吹っかけられられる。相場は50SP。結局35SPで決着してタクシーで市内に行く。しかしあっという間の距離だった。案の定。
ホテルを探し回る。結構高い。シングルで400SP、ヒーター付きだと600SPくらいいく。いくつも回ってニューツーリストが一番安かったのでここに泊まることにした。300SP。暖房なしだが、小さなストーブと毛布1枚を追加してくれる、とのこと。
砂漠気候なのでダマスカスよりも寒いと思っていたが、同じくらいのようである。砂漠の冷え込みはそれほどきつくない。
もう8時。宿の向かいのNABUレストランで夕食。シシカバブとサラダとホブスとシャイ。350SPと高かったが、まずまず美味かった。昨日のダマスカスのレストランは、やたら安かったが、地元民向けのいわゆる大衆食堂なのだろう。このNABUは、観光客向けなんだと思われる。しかしほとんど客は入っていない。
宿に戻る。宿の人の話では、今の時期は冬なのでそれほど観光客は多くない、とのこと。4、5、10月に観光客が多いらしい。それでもダマスカスのような人の多い大都市では目立たなかった白人が、このタドモールでは目立つ。ここに来て一気に白人が凝縮されたようである。それだけパルミラは白人観光客の定番観光地なのだろう。
<シリア雑感(1)>
■ドバイからダマスカス到着後、空港で写真を撮っていると、タクシーの運ちゃんが「俺を撮ってくれ」とポーズする。写真を撮った後金を請求されるのが嫌なので撮らなかったが、この後シリアを旅してみると、どうやら彼にはそんな下心はなく、イエメン人並みの無邪気さでそういっているらしいことが分かって来た。ビデオを撮っていても、男も女も、若者も年配も、手を振ってきたり、画面に入って笑顔を見せたりする。イスラム教国であるが、ビデオとかカメラにアレルギーなし。
■シリア人男はみんな紙タバコを吸う。まぁ、イスラム国はたいていそうだが。奴らは四六時中街中で吸っている。水タバコももちろん吸う。
■ダマスカスの宿代は高い。安宿と言われているところでも700〜800SPする。
■シリア人はなかなかガタイがいい。また、若者の腹は出ていないが、年配者の腹は相当に出ている。エクアドルのおばちゃん連のよう。
■「シリア人は親切」というのは、僕が体験した限り本当である。『地球の歩き方』を街なかで見ていると、「大丈夫かい?」と声をかけてくる。
■シリア人は写真を撮られたがる。イエメン人と同じ。
■ダマスカスは猫の街。犬は一匹も見かけなかった。普通あり得ん。
■ダマスカスでは、イスラム色の緑色がいたるところで強調されている。ここにいるとイスラムの色が緑であることを強く実感させられる。
(続く)
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