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房総の旅2

9・大多喜ステーション(カット)


10・外房線海辺を走る

 また金を取られるのではないかと心配しつつも、到着した木原線と外房線の交わる大原駅では何の問題もなく乗り換えができ僕等に笑顔が戻った。もうこの頃には太陽も高く昇り夏の暑さを感じさせ、駅の外には魚を入れる箱が幾つかころがっており、海が近いことを感じさせた。僕等が乗り込んだ電車は海水浴シーズンのためかなり混んでいた。車内には態度のでかいあんちゃん4人組みがいてムッと来たが、やつらの髪をいじくる赤子がいていい気味であった。電車は幾つかの駅を過ぎ海の見える町を過ぎていく。やたら暑かったような気がする。

 真夏日に海岸沿いの汽車は行く トンネル入りて暫し涼む


11・おせんころがし

 僕らは行川アイランド駅に降り立った。
 しかし、 目的地は行川アイランドではなく『おせんころがし』という名所である。そこは海に面した断崖絶壁であり“おせん”と言う人が誰かの代わりに身を投げたという場所である。僕らは、そこでスリルのある崖っぷちの道を歩こうと考えていたのである。
 しばらく歩いておせんころがしの入り口である『おせんころがしトンネル』に到着した。『おせんころがし』はこのトンネルの海側の崖に沿ってあるはずののだが、なんと前日の台風のせいで道が崩れて無くなっていたのである。
 “向こう見ず吉田”が先頭にたち、続いて小泉が偵察に行った。結局5人とも来てしまった。ただひとり“心配性矢幅”だけがその場に残った。
  残念なことにやはり崩れた道を行くのは危険だったので、僕等は国道に戻り“おせんころがしトンネル”に入り汚い空気を吸った。トンネルを抜けた先は漁港であった。海と山が近づいているのだ。


12・せみしぐれ

 味気の無い国道を歩くのを嫌った僕等は、より海沿いに近い旧道を選んだ。右に山と崖、左に崖と海を眺めながら“海沿いのカ−ブを走る白いク−ペ 曲がれば夏も終わる”(「夏のクラクション」by Inagaki Junichi:From J.I)という気分だ。太平洋を眼下に車もあまり通らない道を思い思いに気ままに歩いていた。1km程程歩くと岩肌がむき出しになったトンネルがあり、そこを抜けると道は樹木に囲まれた。セミがうるさい程に鳴いており、矢幅が『せみしぐれだ』と感動していた。

 き道でこころを洗うせみしぐれ セミがしょんべんひっかけた

とやっている間に目的の一つである誕生寺の屋根が目に入ってきた。


13・誕生寺

 誕生寺を何故か井上は“しょうたんじ”といっていた。とにかく、日蓮宗総本山である誕生寺に僕等はたどり着いた。この頃正午近かったのでめしを食うことになったのだが、井上と吉田が血迷って変なことを言い始めた。『ア−、これで日本全国の旅も終わりか』などといい、いかにも日本一周をしてきたかのような会話をして周りの注目を集めようとしていたが、誰にも気にとめられず無視されていた。変なおっさんが『拝観料、拝観料』と言って歩きまわっていた。誕生寺を出た後予定にはなかったのだが、小泉が仏舎利塔に行こうと言い出した。すぐ着くだろうとたかをくくっていたが、思ったより高いところにあったためちょっとした登山となった。岬の上の仏舎利塔は海を眼下に見下ろせる景色のよいところであった。


14・安房込小湊にて

 誕生寺の門前町のような所の南国風の店を覗きながら駅へと向かった。途中で人に道を聞き安房小湊に着いた。電車を待つ間に雑誌を読んだりぶらついたりしていたのだが、電車の来る10分くらい前になって“うっかり向後”が『時計がなくなった。』と言い出した。皆で色々探したのだがどこにもなく、周りの人にまでも『何を探しているの』と問われた。
  結局電車が来る前にみつけだし、ひと安心となった。乗り込んだ電車の中は冷房がきいており、僕等を喜ばせたが2駅で降りる事となったので束の間の喜びであった。


15・千倉駅

 鴨川から千倉までは景色が良かったのだが、大した事件はなかった。千倉駅では記念にと切符をもらってきた。千倉駅と千倉の街の中心はかなり離れている。これはこれ以上街に駅を近づけようとすると線路をスイッチバックにしないとならないからとの理由らしい。(96:スイッチバックとは急勾配の斜面等をジグザグに折り返しをしながら登り下りする走法)
  僕等の目的地は今日の宿の“ひまわり荘”である。ここは裕助の親の会社の保養所で、安く泊まることが出来るのである。
  地図と違うため、なかなか宿に着かず、皆が裕助に文句を言いはじめたころ、ようやく近くまでたどり着いた。路地を少し入った所で『ドジャ−ン!』僕等の目の前に“ひまわり荘”がそびえていた。


16・ひまわり荘

 ひまわり荘の玄関にはTVゲ−ムがありゲ−ム狂の井上の目は燃えた。 部屋に向かう途中、階段を登り二階の廊下を行くと今度は下りの階段があり僕等の度肝を抜いた。
  部屋は6畳と聞いていたのだが、実際には、それよりかなり広く奥に部屋がもう一つあったので僕等は喜んだ。
  日がくれるには時間があるので、僕等は一日中持っていた荷物をおろし、海でひと泳ぎすることとした。


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