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エジプト旅行記
2000年5月・記
「Welcome To The Wonder World」(2)
〜カイロ編(2)〜

カイロ中心部タフリール広場に近接する「エジプト考古学博物館」は、世界に名だたるエジプト古代文明の貴重な発掘品を一同に展示している、世界でも有数の博物館である。(エジプト発掘品の一部は、一時期エジプトを支配していたイギリスが強奪し、ロンドンの「大英博物館」に展示しているのは周知の通りである。)

エジプトの博物館や遺跡は、カメラ持ち込み可のところが多いが、そのための別料金を支払わねばならない。500円も出せば腹一杯飯が食えるカイロで、博物館入場料は完全な観光客料金である。通常500円〜1200円。これじゃあ日本と同じだ。さらにカメラ持ち込みはプラス300円、ビデオカメラ持ち込みは一桁違うことが多く、1000円は下らない。

さて、館内にはエジプト各地から出土した像・秘宝(ツタンカーメンの財宝が大きなスペースを割いている)が目白押しである。その中でも、ミイラ室は必見だ。温湿度が完璧に管理された薄暗い部屋に、11体のミイラがガラスケースの中に安置されている。エジプト古代文明史上最も有名な、ラムセス2世の表情が印象的であった。普通のジジイだったが。死んだ時のそのままの表情が、3200年以上経った今見れるってことに、やはり深いロマンを感じざるを得ない。

博物館を出て、カイロの銀座通り、「タラアト・ハルブ通り」を歩いていると、引っ切り無しにエジプト人が声をかけてくる。パターンとしては、「これから俺のギャラリーに連れてってやるからついて来い」と言う奴が多い。別に「ここに行かなきゃ」という所がなかった私は、相手としばらく話して、面白そうだったらついていくことにした。何人かについていった後で分かったが、結局は奴等は商人であり、何らかの商品を売っていて、私にそれを売り付けようとしているのだ。以下にそのいくつかの例を紹介しよう。

(例1)
カイロ大学の学生と称する若者が、私がさかんに写真を撮っているのを見て、
「あっちに、とても美しい寺院があるんだ、俺がつれてってやるよ、いい写真撮れるよ。」
「そうかい、じゃあ行ってみるか。」
しばらく歩く。
「おい、そりゃどこだよ、すぐって言ったじゃねえか。」
「もうすぐだ、その前に、俺のギャラリーに来ないか?」
「何だよ、ギャラリーって?」
行った先は、小さな店。香水が所狭しと並べられていて、パピルス紙も飾られている。(香水(エッシェンシャル・オイル)も、カイロの名物土産の一つである。)
「(パピルス紙を指差して)この絵は僕が書いたんだ、僕はアーティストなんだ。」
「お前学生やろ?学校で描いとんのか?」
「そうなんだ。これなんかどう、安くしとくよ。」
(ここで気づく、「こいつは初めから寺院に連れて行く気なんかない、これを売ろうとして私に声をかけたんだ」と。)
「いや、いらねえよ、興味ないんだ。」
・・・でまた押し問答が始まる。10分くらい話して、
「それじゃあな、楽しかったよ。」と話を強引に中断して店を出る。

(例2)
パピルス職人と称する男が、私をパピルス工房に連れていった。そこで、パピルス紙の作り方を披露してもらい、これは勉強になった(皆さん知ってますか?)。しかし、最終的には壁に飾られているパピルス画を、売りつけようとする。
ここには20分くらいいたが、結局何も買わずに、「ありがとう、ためになったよ。」と礼を言って出てきた。店の主人は、「ちょっと待ってくれ、もう少しだけ。」と言って追いかけてきたが、「買わないよ」と断言して繰り返す私と話すうち、ついに諦める。

そうこうしているうちに、スーツを着た、ダンディーな紳士に声をかけられた。彼は、私の手のひらサイズのデジタルビデオカメラにいたく興味を示しており、「これは何だい?ちょっと見せてくれ。」と言ってきた。
私は、彼の柔らかな物腰と、にこやかな笑顔を見て、「この人はいい人だな。」と直感した。
「私は、カイロ大学で歴史を教えているんです。今度日本に行くので、ちょっと話を聞かせてください。」
と言って、彼は私を彼のオフィスに連れていった。(この時私は、彼の言うことは本当だと思ったが、後で考えると怪しい部分もあった。)

(続く)



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