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エジプト旅行記
2000年5月・記
「Welcome To The Wonder World」(3)
〜カイロ編(3)〜

カイロ大学の教授と自称するハッサンは、私を彼のオフィスへと連れていった。そこで彼は、私にシャーイ(紅茶)を出してくれ、たばこを勧めてくれた。(注:基本的にイスラム教徒は紅茶が好きである。ただのリプトンのティーバッグなんだけど。外は暑いにもかかわらず、小さ目のグラスに入った熱い紅茶に山盛りの砂糖を入れ、いつも飲んでいる。これはトルコでも同じ。トルコでは、「チャイ」と言う。さらに、イスラム世界では、客人のもてなしに、たばこを勧めるのが慣例となっている。)

ハッサンは、非常に笑顔が優しい紳士である。彼が日本のことを聞くので、物価が高いとか、東京のホテルは安くても1万円くらいするとか教えた。さらに彼の弟が結構なインテリで、なかなか有意義な話をすることが出来た。私がぜひアラブ人に聞いてみたかった、「イスラエルとアラブ諸国との関係」であるとか、「イスラム原理主義について(ルクソールのテロ事件等)」などの話題について、議論した。彼は、イスラエルは嫌いじゃない、その後ろ盾をしているアメリカの首脳が問題だ、と言った。だがアメリカ人も嫌いじゃない、あくまで政治の問題、と非常に理性ある考え方をしていた。
さらに、アスワンハイダムが出来てからのナイル川周辺の変化について、色々話してくれた。まさに、「エジプトはナイルのたまもの」である。また、エジプトはアラブ世界であり、「アフリカ」というくくりでは説明できない。北アフリカ(モロッコ以東)〜エジプト、スーダン〜アラビア半島〜イランにいたるアラブ・イスラム世界を再認識することが出来た。
このような歴史や経済・政治、イスラム世界の成り立ちといった話は、私が非常に興味を持っていることだったので、紅茶を飲み、たばこを吸いながら、時間が経つのを忘れて議論した。

だが、よく見るとそのオフィスにもパピルス画が壁に飾られており、そこには値札がついていた。しばらく話した後、ハッサンは「パピルス画、どれか気に入ったのはないか?」と聞いてきた。「結局はそう来るか」と思いながら、どの店でもよく見る1枚について、ハッサンに説明を求めた。それは、古代エジプトの神が、人間の運命を決定する、といった内容の絵で、ハッサンは事細かにその歴史的背景を説明してくれた。

その後様々な絵柄のパピルスの説明を受けたが、結局1枚だけ買うことにした。「まあこれだけ接待してもらえりゃいいか」と言う気持ちであった。

そうこうするうち、そのオフィスに、旅行・ツアーを企画している、ソブヒと言うオヤジがやって来た。彼は親しげに私に話しかけてきた。私が日本人だ、と言うと、驚いたことに彼は来週日本人の女の子と結婚する、と言うではないか。「またエジプトオヤジがホラ吹きやがって」と思ったが、どうやら本当らしい。彼女の写真、彼女から送られてきた結婚承諾書(外国人と結婚する時に必要な書類らしい)等を見て、いくら私でも信じざるを得なかった。話によると彼女は、半年ほど前友達3人とエジプトを旅行していた時にソブヒと知り合ったそうで、彼が企画する砂漠ツアーに参加したそうだ。その砂漠ツアーの写真を見せてもらって、私は息を呑んだ。(その彼女がかわいかったからではありません)

砂だらけの大地。砂漠に沈む夕日の美しさ。この風景を見たら、人間がいかにちっぽけな存在であるかが分かる。砂漠で見る満天の星空は、私が今まで見た中で一番美しかった、人里離れたモンタナの降るような星空とどっちが美しいだろう?(「モンタナの星空」については、アメリカ留学時編「大平原と青い空〜アメリカを走る」に掲載)
砂漠を旅したら、どういう気持ちになるのか?砂しかない大地を、らくだに乗って旅したら・・・?「シェルタリング・スカイ」とか「イングリッシュ・ペイシェント」といった映画では見てるけど、実際に行ってみたい、という気持ちが一気に高まった。現実にその後私は、エジプト滞在中に何とか砂漠(オアシス)に行けないものか、と考えたが、オアシスに行くには最低3日くらいはかかるので、断念した。だが、次来る時は、絶対に砂漠を旅する、と心に誓った。

ソブヒに、「次回来たら、絶対砂漠ツアー行くよ」と言うと、「じゃあ俺が明日のピラミッドツアー、全部取り仕切ってやるよ」と言うので、私はこいつなら大丈夫だろうと思い、翌日のピラミッドツアーを任せることにした。

翌日。朝9時に迎えのタクシーがやってきた。いよいよカイロでのハイライト、ピラミッド巡りである。

(続く)

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