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テキサス・ニューメキシコ旅行記
1998年8月〜9月
(このページの写真は、後日アップします)
(3)ホワイトサンズとカールスバッド、ニューメキシコへ

翌日。1998年8月31日。朝6時に起きエルパソのホテルをチェックアウト。車で出発。程なくテキサス州からニューメキシコ州へ入る。サバンナのような潅木の砂地と、遠くに見えるゴツゴツした岩山。「枯れた自然むき出しの荒野」という印象の風景だ。雄大さは、アメリカ他の土地と同じく、いつも通り。天気はいい。広いハイウェイに、車はほとんど走っていない。見晴らしの良さも手伝って、ついついアクセルを深く踏み込んでしまう。
途中、「Missile Range」という看板が猛スピードで後ろへ流れていく。
「何だろう?」
僕は路肩に車を止めて通り過ぎた後ろを眺める。何かありそうな気配だったので、一度ハイウェイを降りてUターンして確かめることにした。
そこは、ミサイル発射場という軍の施設だった。ここニューメキシコ州は、第2次大戦時原子爆弾の研究・実験をしていたところである。ホワイトサンズ、アラモゴルド、ロスアラモス研究所。今でも軍の施設はそのまま稼動しているようだ。
(この施設がどこへのミサイルを擁しているのかは不明だったが、冷戦時に配備されたソ連各都市へ届く大陸間弾道ミサイルは、中西部サウスダコタ、ノースダコタ州の大平原に配備されているという。)

入り口から中を見ると、ミサイルの実物大のレプリカがいくつもそそり立っている広場がある。そこまでは一般人も入れるようになっている。だが、ここに入るのにも、検問は厳重だ。当然だ、ここは世界最強アメリカ軍の施設なのである。
守衛所があり、その横に平屋の建物があって、中に入ろうとする者は、一旦車から降り、この平屋の建物で運転免許証から車の登録証・保険証書をすべて提示せねばならない。何人かの一般人が列に並んでいる。
僕は、ただ広場のミサイルの写真が撮りたかっただけだったので、守衛に立っている係員(もちろん軍人)に尋ねた。
「ここから写真撮るだけ、いいかな?」
係員は快く了承してくれた。僕はその入り口から、異形の「ミサイル広場」とでも言うべき広場の写真だけ撮って、その場を引き返した。
後で考えてみると、軍の施設だが、そのような一般人が入れる広場があるとは、一般大衆に対するアメリカ軍の広報活動というか、つまり「一般大衆に近い、身近な存在のアメリカ軍」をアピールしているような気がした。そりゃ、「世界の警察官」として、世界中から大批判を買うような振る舞いが多いアメリカ軍である、アメリカ人の感情を損なってはマズイ、少しでもいいイメージをアピールしよう、と考えても不思議ではない。

そして再びニューメキシコ州を走り始める。ホワイトサンズ国定公園に着いたのは、午前9時半。ここは、想像通りの本当に真っ白な世界だった。

ホワイトサンズ写真集

昼を過ぎた12時半、ホワイトサンズを出発しカールスバッド洞穴国立公園へと向かう。天気はとてつもなくいい。
途中、アラモゴルドという街周辺のハイウェイで、ポリ公に捕まってしまった。スピード違反。後ろから猛スピードで僕の車の後ろに張り付いたパトカーは、サイレンとパッシングで僕を威嚇し、路肩に停車するよう圧力をかける。僕はポリ公に捕まったのはこれが初めてじゃなかったので、すぐに真っ青になって(笑)路肩に車を止めた。30m程度後ろに同じく停車したパトカーから、1人の警官が降りてこっちに向かってくる。僕は運転席でじっと待つ。「よくあるアメリカ映画の1シーンと同じだ!」などと考える余裕は全くない。

僕の車の横にやって来た警察官は、厳しい顔つきでこう切り出した。
「何でそんなに急いでいるんだ?何か理由があるのか?」
「いや、別にありません。」
何かそれらしい言い訳をすればいいのだが、気が動転してるし、少なくともこの警官の顔つきはシャレや軽口が通用するような雰囲気ではない。それが、僕に余裕を持った対応をさせなかった。日本人相手だったら、何とか罰金を免除してもらうための言い逃れをするんだけど。
「どこへ向かってる?」
「今日中にカールスバッドに着いて、鍾乳洞見学をしたいんです。あまり時間的余裕はないんです。」
やっと言い訳らしいことが口から出る。
「運転免許証、登録証と保険証書を見せなさい。」
彼は有無を言わさず僕からそれらの書類を受け取り、パトカーに戻った。どこかと無線で連絡を取りつつ、違反切符(Speeding Ticket)に何やら記入している。結構時間がかかる。10分〜15分くらい待たされた。こっちは急いでるっていうのに!

警官は戻ってきて相変わらずの厳しい表情でこう言った。
「レーダーで25マイルオーバーだ。罰金は139ドル。君には2つのオプション(選択肢)がある。罰金を郵送で送るか、それともこれを認めずに裁判所へいって異議申し立てをするか。」
僕は力なく言うしかなかった。
「罰金払います・・・。」
すると警官は私に違反切符を渡しながら、
「30日以内に、罰金を郵送しなさい。」
最後に、彼はこう締めくくった。
「SLOW DOWN。」

彼の話では、市街地セクションの制限速度65MPH(65マイル/時=約104km/h)のところ、90MPH(約144km/h)で走っていたとのこと。25マイルオーバー(40kmオーバー)。それじゃ仕方ない。それにしても、エルパソ空港で借りたこの「日産セントラ」は良く走るのだ。おそらく排気量1500ccくらいのコンパクトカーだが、アクセルが軽い。上り坂はややキツイが、平地なら軽く150km/hは出る。この良く走るセントラと、見渡す限りの平地で他に車のいないニューメキシコのハイウェイが、ついつい僕にスピードを出させたのだ。これが命取りになった。
だが、ポリ公も卑怯な待ち方をする。というのは、市街地セクションまでの何もない田舎道での制限速度は、75〜80MPH。そこでいい気になって飛ばしていて、いつの間にか市街地に入ったのに気づかないでいる。ポリどもは、市街地セクションに入った途端の所に待ち構えているのだ。そして市街地に入ったことに気づいてスピードを落としたときにはもう時既に遅し、パトカーが後ろに張り付いているわけである。そりゃズルイ、あんまりだ。

前述したが、思えば僕がスピード違反でポリ公に捕まったのはこれが2度目である。1度目は夜のモンタナ州。やはり市街地セクションに入ったところだった。その時は、若い警官に今回だけはと言って見逃してもらったのだ。2度目は、そうはいかなかった。何しろ25マイルオーバーだ。言い訳のしようがない。


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