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ベトナム旅行記
2002年1月
(9)ベトナムの歴史・ハノイ(2)
今日はいよいよベトナム最終日。まずはベトナム革命の聖地・ホーチミン廟へ向かう。
声をかけてきた手ごわいバイクタクシー運転手のおっさんと長時間の値段交渉の末、合意に達した。バイクタクシーの後ろに乗り、風を切って走る。ノーヘル、二人乗り。日本では暴走族以外、まず考えられないことだ。クラクションを鳴らしながら、バイクの大群の中を縫うように走ってゆくバイクタクシー。車間距離は小さい。ちょっとでも接触して転倒しようものなら、ノーヘルだし、大変やなぁ、などと考えているうち、15分くらいでホーチミン廟に到着。(
バイクタクシーのオンボードカメラ)
ホーチミン廟は、1975年、9月2日の建国記念日に建てられた。総大理石造りの廟の内部には、ガラスケースに入れられたホーチミン主席の遺体が安置されている。廟の前に広がる広大なバーディン広場で、1945年9月2日にホーチミンがベトナム民主共和国の独立
宣言を読み上げた。毎年9月2日には、ベトナム全土から多くの参拝者が訪れるそうである。
私が訪れた1月にも、多くの外国人観光客や修学旅行のベトナム人の子供たちが見学しに来ていた。写真のように、中から外まで長蛇の行列状態である。
廟の内部は無料で見学できるが、ベトナムにとっては聖地のような存在のため、様々な規制がある。半ズボン、ノースリーブ、サングラスは禁止。写真撮影ももちろん禁止、中で立ち止まることも禁止。流れに沿って歩き続ける。手荷物はいかなるものも持ち込み不可。荷物はすべて手荷物預かり所に預ける。
ある白人の若い女の子グループなどは、半ズボンで来てしまったため、苦肉の策でスカーフのような布を腰に巻いてスカートのようにして急場をしのいでいた。
行列の最後尾に並ぶ。時間が相当かかると思ったが、上述したように、立ち止まることは許されないため、比較的回
転は速いようだ。みるみるうちに廟の内部に入る番となった。
薄暗い順路を、前に人に続いて進む。いたるところに銃を持った警備員(警察官?)が立って監視している。ホーチミンの遺体は、薄暗い部屋の中、ガラスケースの中でライトアップされていた。この旅行の間、幾度となくどこかしこで彼の写真や看板を見てきた。その通りの顔だった、という以外の特別な感慨は浮かばなかったが、この小柄で気取らない人物(彼は、日本で言えば「ランニングにステテコ姿のおじさん」のような、庶民的な身なりを常にしていて、決して偉そうにすることはなかったという)が、生涯をかけてフランスやアメリカという強大な勢力に抵抗し続け、ベトナム人民をまとめあげ、ついに独立を勝ち取ったのである。その偉大な功績は、人間が、生きている間にこれ以上できることはない、と思わせるほどとてつもないことである。ベトナムの人たちにとっては、ホーチミンは英雄以上、神様のような存在なのである。
廟を出た後、裏手にあるホーチミンが1958年〜1969年まで住んでいた、緑色をした高床式の家を
見学。中は机とベッドだけの非常に素朴な部屋だ。質素で飾らない彼の人柄を偲ばせる。
さらに、近くにある一柱寺を見る。これは、1本の柱の上に仏堂を乗せたユニークな形をしている寺である。
その後、孔子を祀るために1070年に建立された文廟を見学した。(文廟)
ここには、1076年にベトナムで最初の大学が開設されたそうである。また、82の石碑があり、それらはすべて違う顔をした亀の上に乗っていて、15世紀以降約300年間における科挙試験合格者82名の名前が刻まれている。(科挙試験は、3年に1度の官吏登用試験で、中国の影響を受け、ベトナムでも李朝よ
り行われていたそうである)
駆け足で回ったハノイも、今日の午後に離れる。
ホテルに戻り、預けていた荷物を受け取って、タクシーでハノイ・ノイバイ空港へ向かった。そこからホーチミンへ飛び、さらに成田へのフライト。
メコンデルタでボッタくられて始まったこのベトナム旅行。いつものように駆け足の強行軍だったが、終わってみればまた楽しい旅の一つとなった。
ホーチミンのエネルギー、ホイアンの不思議空間、フエの悠久、そしてハノイの歴史。
その間には今回も色々な人々に出会えた。彼らにとってみれば、私は数多い旅行者のうちの一人に過ぎないのだが、私にとっては、(良きにつけ悪しきにつけ)一生忘れられない人々に違いない。もう二度と会うこともないであろうが。
ベトナムは、社会主義色は薄かったように思える。普通の市場経済国と変わらないように見えた。だが、実際に仕組みがどうなっているかは、わずか1週間では分からなかった。資本主義の弊害を考える上で、社会主義国を知るのも重要なことだと考えている。
ベトナムの歴史をより深く知れたのは収穫であった。アメリカに抵抗し続け、決して屈服しなかったベトナム人のパワーも、感じることができた。
食べ物は本当に美味しかった。これなら私は絶対にベトナムで暮らしていける。
そしてアオザイのベトナム女性達。体のラインを強調するアオザイは、「ベトナム風ボディコン」であり、若い娘とすれ違うたびにドキッとしてしまう(笑)。さわやかでセクシー。特に、女子高生達は真っ白なアオザイを着ていて、これには完全にやられてしまった(笑)。アオザイを着てるだけでかわいく見えるんだから、本当に不思議だ。実際、若い子はみんなスタイルが良く、アオザイが実に映えた。逆に、スタイルがよくなければあれはとてもじゃないが着れない。
次にベトナムに行くとすれば、チャンパのミーソン遺跡と、ハロン湾をのがすわけにはいかない。
その日を楽しみに。
(終わり)
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