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トルコ旅行記
2000年5月
文明の十字路・イスタンブール(3)
(このページの写真は、後日アップします)

デカ・プリオは、ついに奴らの目的を口にした。
「俺達は絨毯屋の店員なんだ。これからうちの店に絨毯を見に来ないか?」
やっぱりそんなとこだろうと思ったぜ。日本語を話せるのをいいことに、これまでに何人もの日本人カモ観光客を食い物にしてきたに違いない。

だが、まぁこれまでホテルまで行ってくれたりとか色々世話になったこともあり、俺達は奴らの店に行くだけは行くことにした。
店には店長と思われる年配のオヤジがいた。店内は色とりどりの絨毯が壁に床に飾られている。彼は、俺達に向かって言った。
「どれでも好きなのを言ってください。」
俺たちは始めから買う気はなかったが、一応感心しているフリをして一枚一枚見た。確かにいい絨毯だ。手触りもいいし、デザインもペルシャ独特のもので見ていて飽きない。だが、思ったとおり値段はベラボーだった。6畳敷きとかのデカイものは、10万円を下らない。小さいラグみたいな大きさのものでも数万円する。これじゃぁもしいいのがあっても買えやしない。だけどアホな金持ち日本人はこういうの買っちゃうんだろうな、特にオジさん、オバさん達が。

「いくらだったら買う?」
って聞いてくるので、
「俺は絨毯なんていらないから買わないよ、だいたいどうやって持って帰るんだよ?」
って言ったら、
「宅急便で日本に送るから心配ない。」
本当かよ?日本で永久に待ち続けるなんてことになるんじゃないの?
俺たちがかたくなに買うのを拒否し続けて30分くらいいただろうか、ようやく奴らとバイバイして店から出た。別れ際、デカ・プリオが日本の携帯番号を教えてくれって言うので教えてやった。
「日本に行ったら携帯に電話するよ!」
と言って別れを惜しんでるんで、俺たちは、
「オーケー、電話しろよ。」
と言いつつ、(絶対にかかってこねぇな)と内心思いながら、二人で夕暮れのイスタンブールを荷物を持って歩き始めた。

今晩、夜行列車「アンカラ・エクスプレス」でイスタンブールを発ってトルコの首都・アンカラへ向かう。そして明日の朝アンカラからバスでカッパドキアに行く予定だ。トルコ旅行後半のハイライトである。実際トルコのどこに行くかは、トルコで合流して以来、岳と色々議論した。何しろ非常に見る所の多い国なのだ。エーゲ海沿岸にある、美しいギリシャ様式の遺跡やリゾートに行くか、また黒海まで足を伸ばして黒海クルーズを楽しむか、はたまたトルコの一番東、聖書の「ノアの箱舟」が見つかったとされるアララト山に上って、不思議な遺跡・ネムルトダァを見るか。しかし限られた時間の中で、俺たちが選んだのは、イスタンブールとカッパドキアだった。

エミノニュの桟橋からフェリーでアジア側に渡る。そこにアジア側の鉄道駅がある。少し早めに到着したので、駅のレストランで飯を食うことにした。駅プラットフォームにあるレストランは、空いてもなく混んでもいなかった。食事をしているのは、これから俺達と同じ夜行列車に乗ってアナトリア高原方面へ向かう人々であろうか。
店内には大きな水槽があり、そこにはここで食べられると思われる魚が泳いでいた。ちょうど生簀のある居酒屋みたいな感じ。それを見たとたん俺達は魚が食べたくなった。
「魚食べましょーよ、吉田さん!」
「おぉ、いいねぇ。」
そういえば旅に出てからエジプトでもトルコでもほとんど魚は食っていない。エミノニュ桟橋名物の鯖サンドイッチくらいか。さっそくウェイターにお勧めの魚料理を聞いて、俺と岳でそれぞれ違うものを頼むことにした。どちらも焼き魚で、味もまずまず。外国で焼き魚なんか食べると、どうしても日本のことが懐かしく感じられる。まだ日本を出て10日くらいしか経ってないのに。

食事が終わってしばらくすると、駅に列車が入ってきた。俺たちが乗る「アンカラ・エクスプレス」である。イスタンブールは、ヨーロッパを縦断するかの有名な豪華列車、オリエント・エクスプレスの終着駅である。ただしオリエント・エクスプレスは、エミノニュ桟橋近くにあるヨーロッパ側の鉄道駅・シルケジ駅が終着だ。ボスポラス海峡を渡ったこちらアジア側の駅からは、東、アナトリア方面へ向かう列車が発着する。
アンカラ・エクスプレスに乗り込んだ俺と岳は、コンパートメント(客室)を見て感嘆の声を上げた。
「チョー豪華じゃん!」
そう、客室は清潔で豪華だった。シャワー、洗面所完備。さすが「アナトリア高原を走るオリエント・エクスプレス」だ。
午後9時にイスタンブールを出発した列車は、しばらくはイスタンブール郊外の街中を走る。しかし1時間もすると街の灯は消え失せ、漆黒の闇の中を走る。時々遠くの方にポツン、ポツンと明かりが見えるのみ。
車掌が各部屋を回ってきて、「いかがお過ごしですか?」ってな感じで聞いてくる。でそろそろ寝に入ろうとしている客室では、ベッドメイキングをしてくれる。豪華列車ならではの光景だ。

真っ暗なアナトリア高原の広大な大地を走っている。心地よい揺れを感じながら、寝台列車のベッドで眠りに落ちた。


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