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ベトナム旅行記
2002年1月
(7)最終目的地・首都ハノイへ

午後4時頃、フエ駅から夜行列車に乗り込む。統一鉄道の、S2というグレードの列車だ。ハノイまでは約13時間。ハノイには午前5時着予定である。

定員6人のコンパートメントに乗り込むと、日本人の若者が乗っていた。彼の名は森田君。明治大学の4年だと言う。卒業旅行でベトナムを一人旅しているとのことだった。残りのメンバーは3人で、ベトナム人のおじさん二人と、おばさん一人。この3人は知り合いのようだ。客室には、両側3段ずつのベッドがある。

乗り込んですぐ、食事のサービスがやってきた。この夜行列車は、夕食付きである。弁当箱のような容器に入っているのは、ご飯、肉、卵、野菜と、日本人の口に合う味付けだ。食べていると、同じコンパートメントのおじさん二人がウィスキーを私と森田君に勧めてきた。プラスティックのカップにストレートで飲む。きく〜。
ほどほどに酔っ払い、食事後は森田君と色々しゃべったり、車内の様子をビデオカメラに収めたりして時間を過ごした。車窓から広がる外の風景は、夕暮れのそれだ。水田が広がるのどかな風景が、淡い白橙色の夕日の中、静かに暮れてゆく。午後6時には日が沈み、車窓は闇に包まれた。
寝台車両では、それぞれがハノイまでの長い時間を思い思いに過ごしている。トランプをするグループ、酒を飲んでいる若者達。午後8時頃には、同室のベトナム人の3人は酔っ払ったのか、すでに眠る体勢に入っていた。森田君も「もう寝ます」というので、私はしばらくコンパートメント外の通路で、たばこを吸いながら外の闇を眺めていた。夜、ベトナムの大地を電車で走っている。どこにいても地球上であることに変わりはないが、旅をしていると、ふっと「ここはどこだろう?」と感じる瞬間がある。特に、夜の暗闇に包まれた大地を走っていると、自分の今いる場所がどこだか分からない錯覚に陥ることがあるのだ。そして、「何で俺はここにいるんだろう?」と思う瞬間がある。そして、「地球は広いなぁ」と感じる瞬間がある。
そんなことを考えながらしばらくぼんやりと外の漆黒を見つめていたが、9時頃には私も自分の最上段のベッドに横になった。しばらく枕元の電灯で「地球の歩き方」を読んだりしていたが、そのうち眠りに落ちた。夜中、何度か目が覚めた。列車は数回駅に停まったようである。
ベトナムの車窓から

翌朝朝5時、定刻通りに列車はハノイ駅に滑り込んだ。まだ外は真っ暗。だが、駅前は、ものすごい数の人でごった返していた。彼らはこれから朝の市場にでも向かうのであろうか。今日もう日本に出発するという森田君と日本での連絡を約束して別れた後、駅前の屋台でコーヒーを飲みながら、これからの行動を考えた。まずはホテルを見つけてチェックインすることが先決だ。
いつも通り何人ものタクシー運転手に声をかけられた。
「これからどこ行くんだ?」
「歩いていくからいいよ。」
ハノイ駅から、ハノイの象徴・ホアンキエム湖へ向かって歩き始めた。まだ真っ暗。夜が明けるのにはしばらく時間がかかりそうだ。20分くらい歩くと、ホアンキエム湖に到着。まだまだ暗いなか、湖畔ではランニングをする多くのベトナム人が行き交っていた。ハノイの人たちの朝は早い。湖近くにホテルを見つけ、チェックインした。午前6時。寝台車ではあまり寝られず、かなり疲れていたので、まずは8時まで眠ることにした。

(続く)
                         
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