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南部アフリカ旅行記(2010年)
3.騒乱のケープタウンへ
アフリカの土産物。石の置物。ゾウにカバに怪しい民族
ヘリコプター遊覧飛行
上空から見たビクトリアの滝
ザンベジ川上流部をヘリコプターは飛ぶ
ビッグ・トゥリーへ向かう道。夜は真っ暗だろう
ビッグ・トゥリー
タクシー運転手のドゥミサニ![]()
騒乱のロングストリート(南ア・ケープタウン)
6月16日水曜日。午前7時起床。今日は8:30からヘリコプターで上空から滝に迫る。
今朝は格別に寒い。昨日の同じ時間より大分気温が低い。10℃くらいだろうか。昨晩、20:30キックオフのブラジル対北朝鮮戦は、気温3℃だったそう。
朝、デジカメの状態は変わらず。電源は入るが、液晶画面が死んでいる。シャッターボタンが動かないのでもう諦めるしかない。
ヘリコプター滝遊覧飛行に参加。飛行時間はわずか15分ほど、料金は110ドルとバカ高だが、イグアスの滝で上空から見た滝は圧巻だったので、僕はここでも参加することにした。遊歩道から見たのでは把握できない、滝の全体像を目の当たりにできるのがヘリコプターの最大の利点だ。
近くのヘリコプター発着場から飛び立つ。ヘリコプターの観光客には、スペイン語圏の団体客がいた。アフリカ土産を売る物売りが、アフリカならではのさまざまな置物を広げている。ゾウ、カバ、怪しい民族。
僕と同乗したのはメキシコ人のオッチャン一人。久々にスペイン語を話した。全然出てこなかったが。
ヘリコプターは良かった。13分くらいというわずかな時間だが、右からも左からもちゃんと見えるように旋回してくれた。デジカメは死んだので、ビデオカメラを回す。
上空からビクトリアの滝を見ると、ザンベジ川の広々とした緩い流れが、突然地の果てに落ち込むように見える。深遠な陥没との遭遇。自然が造った、スケールの違う凹凸。なんか、イグアスの滝と同じだ。イグアス川も滝の上流部はとても広くて緩やかな流れ。それが深い陥没に行き当たるのだ。
深い谷からは落ち込んだ水が水煙となって吹き上げている。これが雨になるのだ。
さすがに時間が短いだけあって、ナスカの地上絵の時の気持ち悪さはなし。多分ヘリコプターって左右旋回してもそれほど揺れたり傾いたりしないので、セスナとは酔い具合は全然違うのだと思われる。
ヘリコプター遊覧の後は、「ビッグ・トゥリー」というバオバブの巨木を見に行く。途中、全く人気のないサバンナ道を歩いていく。灌木の荒野に一本道。ビッグ・トゥリーまで20分くらいはかかる。街灯はないから夜は真っ暗だろう。いまは炎天下の昼間とはいえ、ここで強盗が出てきたらアウトだ、とビビっていると、突然道端のブッシュの中から黒人が飛び出してきた。僕は死ぬほど驚いたが、よく見ると強盗ではなく物売りだった。ビッグトゥリーに行く観光客をここで待ち受けているのだろう。
(なんだよー、ビビらすなぁ)
この後も何人、何組かの物売りと会話を交わしつつ、ビッグ・トゥリーに到達。なるほど、相当な巨木だ。手のひらのように何本もの太い幹が空に向かって広がっている。灰色の幹。幹の先は細い枝が末広がりに伸びている。太い幹が四方に伸びている様子は、キングギドラのようだといって差し支えなかろう。
物売りはなかなかしつこい。ザンベジ川の川の神、ニャミニャミのお守りが4つで1ドル。このニャミニャミは、頭が魚で胴体が蛇。
僕を空港から街まで連れてきたタクシードライバーのドゥミサニは、律儀にも朝10時半にレストキャンプに来ていた。「帰りも空港まで連れていく」って主張した運ちゃんは今までの旅で何人もいた気がするが、本当に現れたのは奴が初めてじゃなかろうか。
奴に15ドルで空港へ乗せていってもらう。今日はこれから南アフリカのケープタウンへ移動する。再び空港までのサバンナ一本道をひた走る。
ドゥミサニは、英語、ンデベレ語、ショナ語、ボツワナの言葉、ザンビアの言葉、計5か国語を話すという。ジンバブエの人たちはみんな英語を話す。ドゥミサニの話では、ジンバブエのテレビでは、言葉はみんな英語だそうだ。日常会話では英語とンデベレ語が混ざるという。ある時、JICAの日本人がショナ語を話していたという。さすが。
空港に着き、ドゥミサニの写真を撮って別れる。
ビクトリアフォールズ空港では、スペイン語を話す観光客が結構多い。まぁ、サッカーと言えば南米だから当然か。アングロサクソン系白人、日本人2〜3人、ヘリコプター観光でも見かけた韓国人。
南アフリカ航空機の客室乗務員は、みんな南アフリカ代表のユニフォームを着ている。日韓W杯の時はJALとかANAの乗務員は日本代表のユニフォームを着ていただろうか?多分着てないだろうなぁ。こちらには遊びがある。そういえばキリスト教国の航空会社では、クリスマスに乗務員がサンタの格好をしていたことがあったっけ。
ヨハネスブルグまでのフライト中、雲がないので地表の様子が丸見えだ。南部アフリカ。見渡す限りの灌木と砂地の大地。地平線まで続く。起伏がない。灌木は、密集しているところとほとんどないところに分かれる。何もないところは砂地のまだら模様。まだらに見えるところにかろうじて灌木が生えている。このあたりは相当な乾燥地帯のようだ。今は乾季で木々の葉がすっかり落ちている。物売りの話では、雨季には毎日雨が降るという。今の時期は毎日快晴、雲すらなく雨の気配はみじんもない。
飛行機が南アフリカに近づくにつれ、道路の線が増えてくる。地平線まで晴れ渡っている。思えば窓側に座るのは久しぶりだ。
15:20、ヨハネスブルグ着。空港内はサッカー一色。実際にサッカーをやっちゃってる人たちもいる。
ケープタウン行の飛行機は17時発なのであまり時間がない。デジカメを買おうと空港内の電気屋を物色したが、サイバーショットは置いてなかった。キャノンとかパナソニックとかサムスンのカメラはあったが、ソニーのカメラは見当たらない。結局時間切れでカメラ購入を断念。
チェックインでは右往左往させられ、ゲートにたどり着いたのは16:25。ボーディングタイム5分前。結局米ドルをランドに両替もできず。
この飛行機でもクルーが南ア代表のユニフォームを着ている。これじゃぁそこらの物売りのニーちゃんとまるで区別がつかない(笑)。
この飛行機も満席じゃない。ビクトリアフォールズからヨハネスブルグまでの便も空いていた。いつも不思議なのは、チケットを取るときは残り座席ほとんどなし、という状況なのはなぜだろう?キャンセルが多いのだろうか?
飛行機から見る夕景、日没は素晴らしかった。色が違う。ちょうど地平線に雲がない。180°すべてが赤く輝いている。乾燥した空気、高度による薄い空気、赤が鮮やかな理由は色々あるのだろうが、素晴らしい夕焼け。しかもその埋火は消えることなくずっと続く。飛行機が南西(西)に向かっているからだろう。飛行機右側の窓からずっと外を眺める。この風景は、僕の中で一つのスタンダードとなった。ここではこの時期、きっと毎日この光景が繰り返されているのだろうけれど。とにかく、17:05発、南アフリカ航空ヨハネスブルグ→ケープタウン便の右側の窓はどうしたって素晴らしい。
19:20頃ケープタウン着。空港内はいきなりブブゼラの大騒音。なぜならば、地元南アフリカ対ウルグアイ戦の直前だからだ。試合は20:30キックオフ。
空港の銀行で500米ドルをランドに換える。公衆電話から、ホテルの空室状況を確かめるために電話しようとするが、小銭が5ランドと20セントしかなくて、お釣りが出なかったらどうしようとマゴマゴしていると、親切なおじさんが声をかけてきた。彼は僕の5ランド硬貨を両替してくれた。いい人だ。南ア人はいい人が多いのだろうか。彼が南ア人かどうかは分からない。
3つのホテルに電話をかける。うち2つは満室。さすがにこのワールドカップ期間、ホテルは取りづらい。だから僕はメールでホテルを予約しようとしたのだが、結局メールが確認できずに今に至っている。3つ目のブルーマウンテンバックパッカーは、空室はあったが1泊450ランド(約62ドル)とバカ高になっている。『地球の歩き方』に書かれている価格から相当な値上がり具合だ。今は観光客がどっと南アに押し寄せているため、売り手市場なのだ。だが野宿というわけにもいかないので、僕は仕方なくここに泊まることにする。
空港からケープタウンの街までのシャトルタクシーは180ランド(約25ドル)。いわゆる乗り合いバンのタクシーだ。タクシーの客引きをしているニーちゃんに聞いたところ、普通のタクシーは230ランド(約32ドル)とのこと。
シャトルタクシーを待つ間、水を買い、フードコートの椅子に座ってテレビを見る。南ア対ウルグアイ戦はまだ始まっていない。
シャトルタクシーに乗ってケープタウン中心部へ。遠い。これで180ランドならまずまず許せる。
ブルーマウンテンバックパッカーに着き、フロントに立っている若者に、さっき電話をしたことを告げる。無事チェックイン。
南ア対ウルグアイ戦の真っ只中とあって、ホテルの一室のミニバーにはテレビがあり、宿泊客の若者が大勢集まって酒を飲みながら観戦している。狭苦しい部屋に熱気が充満している。どうやらこの宿は、名前からして分かる通り、バックパッカー風情の若者たちが多く集まる宿のようだ。フロントに立っている若者も、どこかしらイカれたような、ヒッピー風である。とてもバックパッカー宿の値段ではないが。
ハーフタイム。目抜き通りのロングストリートは大騒ぎとなる。
南アフリカは強豪ウルグアイに0−3で敗戦。試合後、ロングストリートの騒ぎは頂点に達する。ホテルのベランダからすぐ下の通り様子を眺める。道に繰り出した人々が車の通行を停めて踊り狂っている。観光客なのか、地元民なのかは分からない。南アフリカの国旗を身にまとっている人がいる。音楽、クラクション、ブブゼラ、歌声。蜂の巣をつついたような騒ぎが続く。結局勝っても負けても騒ぐってことは、ただのワールドカップハイか。いや、敗戦の憂さ晴らしの騒ぎか。もしくはここには南アフリカ人は少なくて、別にどっちが勝っても構わない外人ばかりなのかもしれない。まさかウルグアイ人ばっかりってこともあるまい。
この旅で初めてシャワーを浴びる。いい湯が出た。高いだけある。
11:20就寝。
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