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ボリビア旅行記
2004年9月・記
(1)マッチ箱の街・ラパス
2004年8月23日月曜日、クエンカのバスターミナルから3時間半かけて、エクアドル最大の都市・グアヤキルへ。グアヤキルのシモン・ボリーバル国際空港からペルーのリマ経由でラパスへ飛ぶ。常夏のグアヤキルで、セーターにジャンパーを着込んでいるのは僕だけ。ボリビアでの厳しい寒さに備え、防寒体制は万全だ。季節的には冬とはいえ、それでも25℃はあったろうグアヤキルでは全くの場違いな格好。
汗をかきながらタカ航空(Taca)の飛行機に乗り込み、17時半グアヤキル発、リマ経由でラパスに到着したのは、ボリビア時間の夜11時過ぎだった。
入国審査を済ませ、市内までのタクシー料金を『地球の歩き方』で確認し、さぁ市内へ向かうか、とタバコを吸っているところへ、1人の若い日本人女性が関西弁で声をかけてきた。
「日本の方ですか?」
「えぇ。」
「やっぱりそうや、さっき『地球の歩き方』見てはったから。今日のホテル決まってはります?」
「いや、決まってないけど。」
こうして、彼女、内川さんと知り合い、ラパスではしばらく行動を共にすることになった。
彼女は、もう半年も南米各国を一人で貧乏旅行してるそうで、ボリビアも今回2度目。ベネズエラ、コロンビア、ブラジル、エクアドル、ペルー、ボリビア、チリ、アルゼンチンとすべての主要国は行ったそうで、その話を聞いているだけで楽しかった。半年間の旅行生活で、スペイン語も僕ほどではないがかなり話せる。彼女の話では、旅先(特に安宿)で出会う日本人旅行者は、ほとんどが旅に出て1年以上経過している人ばかりだそうで、やはり南米旅行者は長期が多いことを裏付ける。
ボリビアの首都ラパスは、標高3650mの高地に位置する。ラ・パス(La Paz)という名前はスペイン語で「平和」という意味。もし中国に同名の都市があったら、「ピンフ」と呼ばれているはずだ。
翌日の晴れた朝、ラパスの街を歩くと、顔の色が黒めの人が多い。ここボリビアは、先住民・インディヘナの人口が最も多い国で、その人口比率は55%である。なるほどインディヘナのオバサンの姿が頻繁に視界に入ってくる。
心配していた高山病は全くなし。普段2500mのエクアドル・クエンカで生活している効果だろう。
ペヘレイのフライ。上に載っているのは、
小魚のフライ。下にはフライドポテトと
モテ(トウモロコシのデカイやつ)をゆでた
ものが敷き詰められている。モテはアンデス
地域ならどこでも食べるんだな、と感心。
両替屋でUSドルをボリビアの通貨・ボリビアーノに替えた後、メルカド・ネグロというラパスの活気を一番感じる市場で、内川さんと飯を食う。屋台街。10件ほど並んだ屋台で、屋台によってメニューが違うこともなく、すべての店が図ったように魚料理と鶏肉料理、しかも両方とも揚げたものを扱っている。ここで、ボリビア名物「ペヘレイ」と「サバド」という魚のフライを食べた。何人かいるお客達は、珍しいんだろう、僕たちを見て興味深々に色々教えてくれる。みんな魚のフライを素手で食べている。僕達もそうしようとすると、客の1人の若者が気を利かせてフォークをくれた。笑顔で僕らを見ていたおばさんが聞いてくる。
「美味いかい?」
「うん、美味いぜ。」
メルカド・ネグロにある屋台街、雨
しばらくすると、雨が降ってきた。しかも大雨が。乾季のラパスにこんな大雨が降るとは予想外。しかも時とともに雨脚は強くなってくる。食べ終わった後しばらく様子を見ていたが一向に雨が止む気配はない。結局この後降りしきる雨の中を飛び出し、宿に戻るという内川さんと別れ、セントロ(旧市街)を見て回った。やむなく傘を買う。南半球のボリビアは、今が一番寒い時期だ。予想はしていたがこの雨が寒さを倍化させている。
ラパスの街は、アンデスの山々の斜面とそれらに囲まれた中にあるすり鉢状の底に形成されている。山の斜面には茶色いレンガで出来た小さな貧しい家々が、山の頂上までびっしりと建っている。そしてすり鉢の底にメインストリートである7月16日通りが走り、その南東側は、山の上とはかけ離れた高級住宅街、官庁街となっている。
大雨のせいでセントロの人出は少ない。パセーニョス(ラパスの人々)の憩いの場所、ムリリョ広場にも人はまばら。ラパスのセントロは、確かにコロニアルな建物があるが、クエンカとかキトを見慣れてる僕にとっては、ほとんど新しい感慨はなかった。スペイン人どもの造った街は、どこでも似たようなものなのだ。
歩き回った後疲れて入った質素なカフェで、コカ、アニス、マンサニージャを混合した温かいお茶を飲む。冷たく冷えた身体に染み入る。
国立民族博物館を見て、日が暮れたので宿に戻った。
雨は夜半まで降り続いた。
サンフランシスコ教会とサガルナガ通り
ラパスは、山の斜面に100万個の小さな茶色いマッチ箱を散りばめたような、そんな街だ。
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