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インド旅行記
2003年1月・記
第1部 悪人天国・デリー

インドの洗礼
DAY-1(1)(2002/12/29)


成田を正午に飛び立ったエア・インディアの機体は、経由地のタイ・バンコクに到着した。
タイ人の清掃員やクルーが、僕の座席の目の前の扉から次々と乗り込んでくる。ここまでに消費された機内食のワゴンを次々と機外に運び出し、新しい機内食のワゴンを積み込む。そして、ゴミ袋をもった女性たちが、バンコクで降りた乗客の席を掃除していく。
タイ人の男性は、華奢で、髪の毛をペタッと7:3に分けている感じの人が多い。さらにあのタイ語の女性的ななよなよした響きは、タイ人にオカマが多いことを妙に納得させる。そういえば、野太い声のタイ人男には会ったことがない。みんな声が高い気がする。
そんなことを考えているうちに、機内食や乗客の入れ替えが終わり、再び離陸してデリーへ向かう。機内食は、もちろんカレー。なぜかインドカレーかタイのグリーンカレーを選べるようになっていた。
そして、デリーが近づくにつれ、機内が乱れてくる。インド人は、どうも図々しい。フライト・アテンダントが飲み物や機内食を用意するギャレーにどんどん勝手に入り込み、自分で酒やナッツなどのつまみを勝手に取っている。インド人って、こんな奴らかよ・・・。

現地時間の夜8時40分、デリー国際空港に到着。成田を出発して、12時間が経過している。どうりで疲れているはずだ。日本時間ならすでに夜中の12時を回っている。だが、ここからは、一時たりとも気を許すわけにはいかない。インドの大地に降り立った瞬間から、気持ちを張り詰めた勝負が始まるのだ。

入国審査を終え、両替所に向かう。空港内には並んで2つの両替所がある。一つはトーマス・クック、もう一つはインドの国内銀行だ。なぜか客はトーマス・クックの方にしかいない。今降りてきた多くの日本人が並んでいる。
私は、両行の換金レートが同じことを確認し、他の人と同じように、信用できそうなトーマス・クックに並んだ。国内銀行の係員は、盛んに「No Commission!(手数料かからないよ!)」と叫んでいる。だが、彼のほうに行く客はいない。
さて、私の番が来た。US300ドルをインド・ルピーに換える。ルピーの札束を一枚一枚数えると、レート通りの額より少ない。レシートをよく見ると、引かれている金額がある。
「この金額は何だい?」
と聞くと、係員は澄ました顔で、
「コミッション(手数料)だ。」
と答える。冗談じゃない、手数料を5%も取られるわけがない。だが、他の日本人は何の抗議もしないまま、両替後、平気な顔をしてその場を去ってゆく。
私は納得のいかないままそこでもう少し事情を聞こうとしていると、私の隣で両替をしていた韓国人のグループが、係員に口々に抗議しだした。
「手数料取るんなら、ここで両替するのやめるから、金を返せ!」
すると、二人の係員は、渋い表情をしつつも、何とレシートを書き換え、手数料を彼らに返したではないか!そんなインチキなことが銀行でもまかり通っているのか。私は驚愕しながらも、
「俺の手数料も返せ!」
と抗議した。係員は、「やれやれ」といった表情をしながら、私にお金を返してきた。

「これがインドか・・・。全く先が思いやられる。」
到着早々、いきなりインドの洗礼を受けたわけである。インドでは、こと金のことに関しては、誰も信用できない。たとえ銀行でも、彼らは札束をちょろまかして、自分の懐に入れ私腹をこやすことをいつも狙っているのである。

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【インド旅行記 −2−1011エピローグ (番外編:インド列車)

                                             
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