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インド旅行記
2003年1月・記
第1部 悪人天国・デリー

市内へ
DAY-1(2)(2002/12/29)


両替を終え、いよいよ市内中心部へ向かう。ここインディラ・ガンディー国際空港のタクシーは、悪質きわまりなく、トラブルが絶えないそうである。ここから市内にたどり着くまでが一苦労なのである。
構内を出る前から、怪しげな男たちが次々と近づいてくる。
「タクシー?」
私のような一人旅の旅行者は、彼らの格好の獲物である。
「いや、俺はバスで行くからタクシーは要らないよ。」
と拒絶しても、奴らはどこまでもついてくる。
「バスはこの時間はもう走ってない。タクシーじゃないと行けない。」
などと平気でウソを言ってくるのである(エアポートバスは、30分おきに24時間運行している)。

ちなみに、一番多く日本人が巻き込まれるトラブルは、タクシーに乗り、市内まで行くつもりが、勝手に見知らぬ旅行代理店のようなところに連れて行かれ、高額なツアーとホテルを言われるがままに申し込まされてしまう、というものである。たとえ事前にホテルを予約しておいて、ドライバーにそのホテルに行ってくれるように頼んでも、「そのホテルは知らない」と言ったり、「分かった」と答えて道に迷ったフリをして「道が分からなくなったから、道を知っている知り合いのところに行こう」と言って別の所に連れて行ったりとか、とにかくもう無法地帯状態なのである。タクシーは、一度乗ると自分ではどこを走っているか分からないので無抵抗にならざるを得ない。それをいいことに、奴らは日本人を自分達のツアーオフィスに連れて行き、言葉巧みに金を巻き上げようとするのである。これには、日本人が英語をあまりしゃべれなく、ただでさえ不安な気持ちでいることにつけこまれているケースも多いようだ。特に初めてのインドで勝手が分からないと、ツアーの相場も分からず、こうした悪徳商法に引っかかってしまうようである。私の愛読書「地球の歩き方・インド編」には、そのような数多くのトラブル事例が掲載されている。特にデリーでの被害が最も多いそうである。他の途上国と比べても、比べ物にならない悪質さである。(現に、2002年11月にインドを訪れた私の友人も、同じような被害に遭っている。)

私はたくさんのタクシードライバーに絡まれながらも拒否し続け、ようやくのことでエアポート・バスを見つけ、乗り込んだ。
だが、そのバスの乗客は私だけである。ドライバーが一人、車掌が一人。またまた不安が湧き上がる。だが、車掌のおじさんはいい人だった。
「メインバザール行きますか?」
「ああ、行くよ。」
バスは、騒々しいエンジン音を立てながら、走り出した。薄暗い高速道路を走る。道は決してよくないので、ひどく揺れる。
車掌のおじさんは、私にインドの安タバコ「ビリー」を薦めてきた。その時、ビリーなど知らない私は、その怪しい葉っぱで巻いたタバコを見て、
「おいおい、これ大丈夫かよ。麻薬じゃねぇだろうな。」
と思いつつも、怖いもの見たさもあり、受け取って吸ってみた。独特の香りのするタバコである。どうやら危ないものではなさそうだ。(バス内の映像

30分くらいかかって、バスはデリーの市内中心部に到着した。だが、そこは私が行きたかった安宿が集中する商店街「メインバザール」ではなく、新市街「コンノートプレイス」だった。車掌のおじさんに、「メインバザール行くんじゃないの?」と聞いたが、彼は「ここが終点だから降りろ」と言うだけだった。まぁ、とりあえず50ルピーで無事に中心部までは来れたからいいか、とバスを降りた(タクシーの場合、200〜300ルピーが相場である上、前述したようなトラブルが絶えない)。
バスの外には、夜中だというのに、4人くらいのリクシャードライバーが待ち構えている。

「リクシャー(リクシャ)」とは、日本の「人力車」が広まったもので、ジンリキシャのリキシャ(リクシャ)である(英語では、Rickshaw)。現在では、昔ながらの、人がそのまま引くタイプはカルカッタにしか残っていないそうで、主流はオート3輪の「オートリクシャー」と、自転車で引く「サイクルリクシャー」である。

インドで一番便利な交通手段であるが、そのドライバー達の、詐欺さながらの悪質さには、手がつけられない。インドで旅行をする限り、常にこの悪人のリクシャードライバー達とタフなやりとりを続けていかねばならないのである。私も、1週間の旅行の間、真っ当なリクシャードライバーには、ほとんど遭遇しなかった。

さて、私は、コンノートプレイスから目的地・メインバザールまでは1km弱だと知っていたので、しつこいリクシャードライバー達が後をついてくる中、歩き出した。だが、デリー中心部だというのに、街は薄暗く、人もほとんど歩いていない。しかも、標識がほとんどないので、自分がどこにいるかがよく分からない。リクシャードライバーは、
「この辺りは危険だから、こんな夜中に歩かないほうがいい。」
と忠告してくる。確かに、もう夜11時近い。30分くらい歩き、道も分からなくなったので、ついに私はオートリクシャーに乗ることにした。15ルピー(注1)と吹っかけられたが、8ルピーで交渉決着。この頃には、もう疲れて一刻も早くホテルを見つけて眠りたい一心になっていた。

(注1)インドの貨幣単位は「ルピー」。2002年12月現在、換金レートは、1ドル=45〜50ルピー、1ルピー=約2.5円。15ルピーは、約38円、8ルピーは約20円。

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